出版とシリーズ化
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/06/27 09:51 UTC 版)
1967年、福音館書店より『だるまちゃんとてんぐちゃん』が発表された(同社の月刊絵本『こどものとも』1967年2月号で初出、同年11月に単行本化)。だるまちゃんの相手役に天狗の男の子を据えたのは、本作を郷土玩具を主人公にするというコンセプトがあったことや、当初は天狗を主人公にすることも構想していたものの、海外では天狗はピノキオの二番煎じと見られてしまうと考えたことが背景にある。 『てんぐちゃん』のストーリーは、てんぐちゃんの持っている羽団扇・頭襟・一本刃下駄などをだるまちゃんが珍しがり、父親のだるまどんにねだって同じ物を欲しがるが、天狗特有の道具の数々は一般家庭であるだるまちゃんの家を探しても見つからない。そこで、身近にあるものを工夫して流用していく……という内容である。主人公のだるまちゃんは、元気いっぱいに友達と遊ぶ快活な男の子である一方、他人のものを欲しがったり、父親に対して駄々をこねたり、決して品行方正な優等生とは描かれていない。これはセツルメント運動で実際に多くの子どもと触れ合った加古の実感が元となっており、小憎らしいいたずらっ子達が、失敗も含めた様々な経験をして、怒られては口を尖らせながら成長していくのが子どもの姿だ、という考えに基づいている。 翌1968年には第2作『だるまちゃんとかみなりちゃん』を発表。未来学の隆盛する当時の社会状況の影響もあり、かみなりちゃんの暮らす雲の上に未来都市を描くという作品となった。その後断続的にシリーズ化。『うさぎちゃん』の雪遊びやリンゴの飾り切り、『とらのこちゃん』の泥遊び、『やまんめちゃん』の草遊び、『におうちゃん』の力比べ遊びなど、日本の伝統的な児童遊戯を盛り込んだ作品も制作された。
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