再利用出来る発射システム
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/14 15:32 UTC 版)
「宇宙飛行」の記事における「再利用出来る発射システム」の解説
詳細は「再使用型宇宙往還機」を参照 最初の再使用型宇宙往還機(X-15)は1963年7月19日に専用母機であるNB-52からの空中発射方式で発射されロケットモーターを使用して弾道飛行した。最初の部分的に利用出来る有人宇宙船(スペースシャトル)はユーリ・ガガーリンの宇宙飛行20周年にあたる1981年4月12日にアメリカで発射された。 スペースシャトル時代の間に6機のシャトルが建造され、実験機のエンタープライズを除く5機が再使用型宇宙往還機として実際に運用された。エンタープライズは滑空実験機としてNASAで専用にボーイング747を改造したシャトル輸送機の背に乗せられ、空中で切り離して滑空後、エドワーズ空軍基地に着陸させる実験を行った。 最初に宇宙に到達したスペースシャトルはコロンビアで、その後チャレンジャー、ディスカバリー、アトランティス、そしてエンデバーと続いた。エンデバーは1986年1月28日のチャレンジャー号爆発事故の後に建造されたもので、その後コロンビアも2003年2月1日のコロンビア号空中分解事故で失われた。 ソビエト連邦最初の再使用型宇宙往還機の計画は1988年11月15日に打ち上げられたブランだった。この計画は同日の打ち上げで1回の飛行を行っただけで終了した。ブランは有人宇宙往還機として設計されたが、外観はアメリカのスペースシャトルに非常に酷似していた。スペースシャトルでは補助ブースターには液体燃料を使用し、メインエンジン及び外部燃料タンクを必要とするが、ブランのブースターは逆噴射に使用するのみなのでそれらの外部装備は必要としないため、スペースシャトルに比べてずっと小さい。ブランによる再使用型宇宙往還機計画は1991年のソビエト連邦崩壊によって予算が縮小され、そのまま計画は終了している。この無人打ち上げを行った機体はその後モスクワのゴーリキイ公園で2003年現在も展示されている。 宇宙開発の展望では1回の飛行に10億ドルの費用を使うスペースシャトルは2010年までに老朽化によるコストの上昇を招き、運用が停止されると予想されている。スペースシャトルによる人間の輸送の役割は2014年までの間に部分的に再利用可能な次世代有人宇宙船であるクルー・エクスプロレイション・ビークル(Crew Exploration Vehicle, CEV、2006年8月22日にオリオンと正式名称が付けられた)に切り替えることが計画されている。スペースシャトルによる重量物輸送の役割は発展型使い捨てロケット (Evolved Expendable Launch Vehicle, EELV) かシャトル派生型ロケット (Shuttle-Derived Launch Vehicle, SDLV) などの次世代使い捨て型ロケットに引き継がれる計画である。 スケールド・コンポジッツ社はAnsari X Prize賞を獲得するために2004年にマイク・メルヴィルとブライアン・ビニーを乗せたスペースシップワンを打ち上げ、X-15の打ち立てた記録を破りこれを獲得した。スペースシップ社はスペースシップツーを製作するだろうと予想されている。ヴァージン・ギャラクティック社によって運営されるスペースシップツーは2008年には乗客から料金を受け取って再利用可能な宇宙船として個人的民間宇宙旅行を始められると考えられている。
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