再利用可能触媒としての3-スルホレン
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/06/13 05:35 UTC 版)
「スルホレン」の記事における「再利用可能触媒としての3-スルホレン」の解説
3-スルホレンと1,3-ブタジエン及び二酸化硫黄の間の相互変換の可逆性は、スルホレンを、よく使われるが分離が難しく再利用できないジメチルスルホキシドの代用として、再利用可能な双極性非プロトン溶媒として用いることの可能性を示している。モデル反応として、ベンジルアジドと4-トルエンスルホン酸シアニドが1-ベンジル-5-(4-トルエンスルホニル)テトラゾールを形成する反応が調べられている。テトラゾールの形成は、ベンジルアジドを単離しないワンポット反応で、72%の収率で合成することもできる。 反応後、135℃に加熱して3-スルホレン溶媒を分解し、揮発性のブタジエンと二酸化硫黄を-76℃のコールドトラップで沈殿させる。重合阻害剤としてヒドロキノンを添加した後、室温まで加熱することで、等量の3-スルホレンが再生する。しかし、液体状態の温度範囲が64℃から約100℃と狭いため、扱いやすく低価格で環境適合性の高いジメチルスルホキシドの代用として産業において実用利用することについては、疑問が持たれている。
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