内航用コンテナ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/01 00:30 UTC 版)
「日本のコンテナ輸送」の記事における「内航用コンテナ」の解説
日本には多くの離島が存在するが、その中のいくつかの離島では独自のコンテナ輸送が離島の生活を支えている。それらは、フェリーを使用した本土と沖縄本島を結ぶ長距離航路や、新潟と佐渡島を結ぶ近距離航路のほか、九州地区に散らばる一部地域の離島で見受けられる、利用者が少数のために採算的にフェリーが就航していない地区や、関東地区の伊豆諸島などの航路では、貨客船や小型貨物船で生活物資輸送を行っている。これらの離島航路に使われているコンテナは、「内航コンテナ」と呼ばれている。 内航コンテナは、国際規模で使われている海上コンテナとは別に、10 - 12 ft形の国内専用コンテナを主体としているが、地域の流通事情に応じて、地区によっては5 - 8 ft形などの小型のコンテナもある。このような多種多様な内航用コンテナを多く使い、日本国内独自の流通体系を確立している。世界的に展開している海上コンテナ輸送に例えると、使用されるコンテナの種類やサイズなどが各地域や国々で大きく異なるように、内航用コンテナでも全国的に共通して見かけるタイプもあれば、ごく限られた特定の区間だけでしか(一例として、対馬列島地区や佐渡島地区等)見ることができないタイプもある。 これらの内航用コンテナの荷役作業は多くの場合、 埠頭に在るジブ・クレーンまたはトラッククレーン車や、船に装備しているクレーンで、入港時に積み下ろしをする。 一方、大小無数の島々が散らばっている瀬戸内海地区は日本一の離島地区であるが、東側より明石海峡大橋ルート ・ 瀬戸大橋ルート ・ しまなみ海道ルートで主要な島々の多くが結ばれていて、地理的環境にも恵まれているので、内航コンテナによる貨物輸送は主流ではない。これは橋が掛かっていない島々の多くは無人島であり、また有人の島でも最寄の本土の港から遠くても一時間程度で渡れるような比較的狭い範囲に点在しているため、かつ内海で波も穏やかなことにより、昔から小型フェリーのほか、乗用車が2 - 3台位しか積載出来ない小型の自家用船や渡し船などの流通手段が多く、逆に専用コンテナを利用するほうが時間や維持管理費の方が高く付くと言った事情があるためである。 これらの瀬戸内海地区特有の事情により、一部の例(豊島 (香川県)で産廃を管理輸送するために専用コンテナが特別に作られた事例や、積荷の関係で他方からの内航コンテナがトラックに載せられて配達で来島したり、元々のコンテナの利点を生かした倉庫代わり、物品の冷凍・冷蔵での保管等で設置されているなど)を除き、流通していないに等しい。
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