内生胞子
内生胞子
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/17 14:43 UTC 版)
バチルス、クロストリジウム、Sporohalobacter、Anaerobacter、Heliobacteriumなどのグラム陽性菌のいくつかの属は、内生胞子(芽胞、endospore)と呼ばれる非常に耐性のある休眠構造を形成することがある。内生胞子は細胞の細胞質内で発達する。一般的に、各細胞ごとに単一の内生胞子が発生する。各内生胞子は皮質層に囲まれ、ペプチドグリカンやさまざまなタンパク質で構成される多層の堅いコートで保護されたDNAとリボソームのコアを含んでいる。 内生胞子からは代謝活動は検出されず、高レベルの紫外線やガンマ線、洗剤、消毒剤、熱、凍結、圧力、乾燥などの極端な物理的および化学的ストレスに耐えることができる。この休眠状態において、これらの生物は、何百万年もの間生存し続けることができる。さらに、内生胞子は宇宙空間の真空や放射線にも耐えることができるため、細菌は宇宙ダストや流星物質、小惑星、彗星、プラネトイド、有向パンスペルミアなどを通じて、宇宙空間中を移動し分散することも可能なのではないかと考えられている。内生胞子を形成する細菌にはまた、疾患引き起こすものが知られている。例えば炭疽症は吸入された炭疽菌(Bacillus anthracis)の内生胞子によって引き起こされることがある。破傷風は破傷風菌の芽胞が原因で引き起こされることがあり、これと類似してボツリヌス症も芽胞から成長した細胞が分泌する毒素によって引き起こされる。医療現場で問題となるクロストリジウム・ディフィシル感染症も胞子形成細菌によって引き起こされる場合がある。
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