公会議の決定
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/08 06:06 UTC 版)
公会議は多くの議題について決議を行った。はじめにカトリック教会の教義を再確認する意味で、ニカイア・コンスタンティノポリス信条が再確認され、ルターが聖書から省いた第二正典が正典たることが正式に認められた。そして「聖書のみ」というルターの主張を退ける形で、聖書と聖伝が教えのよりどころであること、ウルガータ訳がカトリック教会の唯一の公式聖書たることを決議した。 また当時もっとも重要な議論となっていた義化の問題についても、「救いは恩寵のみによる」と主張するプロテスタントに対し、恩寵が義化の根本であることを認めながらも、人間の協働にも意味を認めた。 またプロテスタントと見解を異にすることになった七つの秘跡についても改めて詳細に議論され、すべての秘跡について改めて聖書における根拠を主張して有効とした。特に聖体の秘跡の重要性を主張し、聖変化によってパンとワインがキリストの体と血になること(実体変化)を確認した。ゆるしの秘跡、叙階の秘跡(叙階によって魂に消えない印が刻印される)、婚姻の秘跡(司祭と2人の立会人を必要とすることや、配偶者の不義によっても離婚を認めないこと)などについても再検討され、はっきりとした形がここに示されることになった。 また、教会改革に関連して司教の定住、司祭の養成機構の充実など聖職者の世俗化を防止する対策が決定され、贖宥状の販売や金銭による取引を禁止しつつも依然「贖宥」の意義は保たれること、聖人や聖遺物の崇敬、煉獄や諸聖人の通効といった(聖書というよりは)教会の伝統に由来する教義が依然有効なものであることを認めた。
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