児童ポルノの世界的状況
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/01 05:05 UTC 版)
「児童ポルノ」の記事における「児童ポルノの世界的状況」の解説
児童ポルノを所持し視聴する行為が、それだけでも児童を性的に虐待する行為の誘因となるという主張も存在する。アメリカでは、両者の相関関係を示す資料として、子どもポルノを受動的に視聴した受刑者の76%が接触犯罪が犯していたとのヘルナンデス調査が報告されている。ただし、両者の因果関係を示す科学的・統計的な資料がいまのところ存在しないことも事実である。 児童ポルノの需要状況を示すデータは、イタリアの児童保護団体「テレフォノ・アルコバレーノ」(Telefono Arcobaleno)のレポートによると、2007年における小児性愛者サイトのユーザー・訪問者の割合は、アメリカ(22.82%)、イギリス(7.02%)、フランス(3.56%)、ドイツ(14.57%)、イタリア(6.14%)、カナダ(3.16%)、ロシア(8.39%)、日本(1.74%)となっている。 児童ポルノの供給状況を示すデータは、イギリスのインターネット監視財団Internet Watch Foundation(IWF)のレポートによると、2006年における児童ポルノサイトのホスティングは、アメリカ(62%)、ロシア(28%)となっている。 アーカイブにある2007 - 2014年の資料でも最多ホスト国はアメリカ合衆国から変わらず、次点はヨーロッパであり、日本を含むアジア地域はこれまで10%以下の比率を保ち続けている。 北米や欧州に児童ポルノサイトの拠点が多い理由として、ブロッキング対象とならない又はブロッキングを何らかの方法で逃れている動画共有サイト・ホスティングサーバがアメリカ合衆国や児童ポルノ規制が未整備で放置される旧ソ連地域に多数存在していることが挙げられる。 これらの地域は比較的英語・ラテン語等多数の国で使用できる言語の人口も多く同じ言語圏の近隣諸国からのアクセスする需要の多さ、ブロードバンド回線とホスティングサーバやが安価に調達可能でかつ企業への税率が安い、ペーパーカンパニーが比較的簡単に作れる等、維持コストが非常にかからない、脱法行為が安易に可能等のメリットがある為、児童ポルノサイトだけでなく著作権侵害サイト・アダルトサイトや海賊版販売サイトの運営拠点ともなっている。 なお、児童ポルノの二大消費国としてアメリカに加えて日本が取り上げられることがあるが、その統計的な根拠は明らかではないことを日本政府も認めている。イギリスのインターネット監視財団(IWF)は2014年の傾向として、児童ポルノ画像の売買にビットコインが使用されている事、プロキシを利用した匿名化、通常アクセスでは合法的なアダルトコンテンツを表示し特定の方法でアクセスした場合にのみ児童ポルノ画像を表示する偽装サイト等、児童ポルノのやり取りが巧妙化していると警告。 2016年2月、児童ポルノ対策が実施されているFacebook上で、秘密裏に児童ポルノを交換するユーザーグループが存在する事が、英BBCの報道で明らかになった。
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