修道院の民間化、そして美術館へ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/11 03:43 UTC 版)
「サン・マルコ美術館」の記事における「修道院の民間化、そして美術館へ」の解説
修道院はナポレオンにより1808年に接収され、ナポレオンの陥落後修道士に戻されたものの、1866年には大部分が国有財産として接収された。ドメニコ会修道士の所有物として残ったのは教会とサン・ドメニコの回廊に面する空間と宗教学者アッリーゴ・レヴァスティの名を冠するスピリトゥアリタ図書館である。1万点以上の図書を保管するこの図書館はレヴァスティが遺贈した図書をもとに1979年に設立された。 国立文化財となった修道院は、改修工事を経て、建物の大部分が1869年に美術館として一般に公開されるようになった。この時期にフラ・アンジェリコによるフレスコ画は画家ガエターノ・ビアンキにより修復された。19世紀に行われた取り壊しに伴う建築の遺構が保管を目的として1906年に館内に移入された。1922年にはジョヴァンニ・ポッジがフラ・アンジェリコの作品の大部分を美術館に持ち込むよう尽力し、ウフィッツィ美術館やアカデミア美術館に由来するフラ・アンジェリコの作品がサン・マルコ美術館へと移管されたことにより、サン・マルコ美術館は今日に至るまでフラ・アンジェリコの最も重要な絵画コレクションを形成している。 1934年から1977年にかけてフィレンツェ市長ジョルジョ・ラ・ピーラが修道院内で何度も暮らした。 1966年に大洪水がフィレンツェを襲ったとき、サン・マルコ美術館は町の北部に位置しアルノ川から離れていること、また若干海抜が高いことから、他の美術館ほどに大きな被害を被ることはなかった。1979年から1983年にかけて、ディーノ・ディーニが実施した一連の改修工事の締めくくりとして、旧客人宿泊室にはフラ・バルトロメオの作品群を収めるための展示室へと改造された。 「洪水の被害を受けた小さくも偉大なる宝物」展と題された2006年に開催された展覧会では、1966年の洪水ののちに修復された作品群が展示された。 2007年にフィレンツェ美術館特別監督局とフィレンツェ貯蓄銀行法人が購入した≪サン・マルコ祭壇画≫に由来する聖人像を表す小さな2枚の板絵は、美術館のコレクションに加えられた。
※この「修道院の民間化、そして美術館へ」の解説は、「サン・マルコ美術館」の解説の一部です。
「修道院の民間化、そして美術館へ」を含む「サン・マルコ美術館」の記事については、「サン・マルコ美術館」の概要を参照ください。
- 修道院の民間化、そして美術館へのページへのリンク