絵画コレクション
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「ケンウッド・ハウス」の記事における「絵画コレクション」の解説
ケンウッド・ハウスの収蔵絵画は、エドワード・ギネスが蒐集したコレクション、および、1974年に寄贈されたサフォーク・コレクションからなる。その規模は大きくはないが、17世紀のフランドル絵画、オランダ派、18世紀および19世紀のイギリス絵画を中心としたコレクションを擁する。その中でも特に、ヨハネス・フェルメールの『ギターを弾く女』、レンブラント・ファン・レイン晩年の『自画像』、フランス・ハルスの『ピーター・ファン・デン・ブロッケの肖像』、トマス・ゲインズバラの『ハウ伯爵夫人メアリーの肖像』などが著名である。 エドワード・ギネスが特に力を入れて蒐集したのがイギリス絵画であり、ジョシュア・レノルズは36点、ゲインズバラは15点を数える。これは、当時のイギリスの富豪の間で、率先してイギリス美術を支援する姿勢を見せることが流行していたためである。ギネスはレノルズ、ゲインズバラの作品1点あたりに約10000ポンドの対価を支払っている。一方、ギネスがフェルメールの『ギターを弾く女』を購入したのは1889年4月のことだが、その時画商に払った対価は1050ポンドであった。この数週間後、パリのオークションで『手紙を書く婦人と召使』が十倍以上の価格で落札され、一気にフェルメールの価格は世界的に高騰した。 ケンウッド・ハウスのいくつかの展示室の中でも、特に印象深い部屋とされるのが、東側の北ウイングに位置するダイニング・ルームである。この部屋の入り口すぐ右側にはレンブラントの『自画像』が掲げられ、反対側の左側にはフェルディナント・ボルの『婦人の肖像』が飾られている。これは、このボルの作品がかつてはレンブラント作と判断されていたためで、ギネスも1888年にこの2点をレンブラントによる男女の肖像画として取り合わせる形で購入している。さらにこの部屋にはフェルメールの『ギターを弾く女』の他、アンソニー・ヴァン・ダイクが2点、ハルスの『ピーター・ファン・デン・ブロッケの肖像』、レノルズの自画像などが並ぶ。 一方のサフォーク・コレクションは主に、サフォーク家およびバークシャー家が16世紀後半から代々受け継いできた家族肖像画からなる。このコレクションは第十一代サフォーク伯爵夫人が1968年に死去した後、その遺言に従って1974年に寄贈された。 その他の画家としては、アンゲリカ・カウフマン、ジョン・クローム(英語版)、ジョージ・モーランド、ウィリアム・ラーキン(英語版)、ジョゼフ・マロード・ウィリアム・ターナー、アーサー・ボイド・ホウトン(英語版)、フランソワ・ブーシェ、トーマス・ローレンス、ジョージ・ロムニー、ヤン・バプティスト・ウェーニクス(英語版)、アルベルト・カイプ、ジョセフ・ライト、エドウィン・ランドシーアらの作品を収蔵している。 また、靴の銀製バックル、ジュエリー、そしてミニアチュールのコレクションも所蔵している。
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