修理と活動再開
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「アドミラル・クズネツォフ (空母)」の記事における「修理と活動再開」の解説
艦内を視察中のメドヴェージェフ大統領 格納庫内部を視察中のメドヴェージェフ大統領 プーチン政権成立後、ロシア経済の回復により財政状況が好転したことで予算が本格的に割り当てられ、大規模な整備と修理が再開された。セヴェロモルスク近郊のロスリャコヴォ海軍工廠の超大型浮きドックPD-50(スウェーデンから1979年に購入した8万トン級浮きドック)に入渠して機関部などの修理を行い、破損した8本の蒸気パイプは、ムルマンスクの工場で新たに作り直され、2004年8月に修理を完全に終えて現役復帰した。 その後、「クズネツォフ」は2004年9月から10月に掛けて北大西洋で演習を行い、健在をアピールした。この時、クズネツォフには、原子力ミサイル巡洋艦「ピョートル・ヴェリキー」、スラヴァ級ミサイル巡洋艦「マルシャル・ウスチノフ」、ソヴレメンヌイ級駆逐艦「アドミラル・ウシャコフ」(前記の駆逐艦「ベスストラーシュヌイ」が改名)、補給艦2隻が随伴し、就役から十数年を経て、初めて本格的な「空母機動部隊」としての運用が行われた。11月には、1999年に初飛行して以来音沙汰の無かった試作艦上戦闘機Su-27KUB (Su-33UB) のシートライアルも開始された。2005年3月にもバレンツ海で演習を行っている。2005年9月には再び北大西洋で演習を行った。9月5日に搭載機のSu-33艦上戦闘機1機が墜落事故を起こしたが、パイロットは脱出に成功している。 「クズネツォフ」は着艦拘束装置のトラブルも有り、2006年初めから修理及び整備のため再びドック入りした。修理を完了して北方艦隊に復帰したのは2007年7月であり、8月21日、約2年ぶりに搭載機の発着訓練を実施した。 2007年12月5日、「クズネツォフ」は大型対潜艦2隻、支援艦2隻を伴い、2度目となる北東大西洋および地中海への遠征に出発した。艦艇打撃グループ(クズネツォフ機動部隊)は、大西洋、地中海で演習を実施し、ロシア空軍や外国海軍との合同演習も行い、2008年2月3日に帰港した。 2008年には7ヶ月間掛けて修理が行なわれ、蒸気タービンエンジンの更新(リビルド)、ボイラー、空調システム、航空機用昇降機の修復、ケーブル配線の交換、艦の各区画の兵装システムの復旧作業が実施された。 2008年10月、ロシア軍の戦略指揮幕僚演習「スタビーリノスチ(安定性)-2008」の一環として行なわれた北方艦隊の演習「ドヴィナ」に参加。10月11日、ロシア大統領ドミートリー・メドヴェージェフの視察を受けた。この時、「クズネツォフ」乗員との会合の席において大統領は、将来の「航空巡洋艦」についての個人的見通しを述べ、「航空巡洋艦は平均して5年で建造する事が出来る。我々は、早ければ、2015年には"最初の成果"を得られるだろう」「新たな航空巡洋艦の動力は、原子力であるべきだ」と語った。 2008年12月5日、本艦と大型対潜艦1隻、支援艦2隻で構成される艦艇航空グループは、3度目の北東大西洋・地中海遠征に出発。トルコ、シリアを訪問し、2009年3月2日に帰港した。
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