信仰の寓意
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/30 18:43 UTC 版)
制作年代:1671年 - 1674年頃 技法:カンヴァス、油彩 サイズ:114.3×88.9cm 所蔵:メトロポリタン美術館 来歴: この作品より数年前に描かれた『絵画芸術』と同様、寓意をテーマにした作品であり、部屋の様子も『絵画芸術』のそれと似ている。片足を地球儀の上に乗せ、片手を胸に当てる女性は信仰の寓意像であり、手前の床に転がるリンゴと血を吐く蛇は原罪の象徴である。女性の視線は天井から下がるガラスの球体に向けられているが、この球体は信仰を受け入れる人間の理性の象徴とされている。女性の服装を含め、画中の道具立てはペルージャ出身のチェーザレ・リーパが著した寓意画像集『イコノロギア』に基づくものであることが指摘されている。背景の画中画はキリストの磔刑図で、ヤーコプ・ヨルダーンスの作とされている。オランダでは建国以来プロテスタントが支配的で、フェルメールの住んだデルフトも例外ではなかったが、本作品に見られるキリスト教のモチーフはカトリック的であり、カトリック信者からの注文と思われる(フェルメール自身は、結婚時に新教からカトリックへ改宗したと推定されている)。本作品については、細部はよく描かれているものの、女性の身振りが芝居がかっていて品位に欠ける点、女性の身体把握(特に右脚の位置)に不自然さが見られる点などから、現代の美術界ではあまり高い芸術的評価は与えられていない。 詳細は「信仰の寓意」を参照
※この「信仰の寓意」の解説は、「フェルメールの作品」の解説の一部です。
「信仰の寓意」を含む「フェルメールの作品」の記事については、「フェルメールの作品」の概要を参照ください。
Weblioに収録されているすべての辞書から信仰の寓意を検索する場合は、下記のリンクをクリックしてください。

- 信仰の寓意のページへのリンク