依存と離脱症状
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/11/16 16:06 UTC 版)
「ベンゾジアゼピン薬物乱用」の記事における「依存と離脱症状」の解説
「ベンゾジアゼピン離脱症候群」および「ベンゾジアゼピン依存症」も参照 アルコール・ベンゾジアゼピン・バルビツールのような鎮静催眠薬は、重篤な離脱症状などの深刻な身体依存を引き起こすことで悪名高い。強い薬物耐性は、たいてい慢性的なベンゾジアゼピンの使用によって起こり、ベンゾジアゼピン依存につながる場合、処方量内でも起こり得る。慢性的処方量服用者に見られるベンゾジアゼピン離脱症候群は、慢性的高用量乱用者と違いはない。継続的に服用するため反社会的行動を取って薬物を探す。ベンゾジアゼピン離脱症候群の深刻度は、テマゼパム中毒者が以下に語っている。 私であれば、ヘロインを断薬するほうを選びます。私がベンゾジアゼピンから離脱しているときに、あなたがヘロイン20mgとジアゼパム20mgのどちらかを提供するならば、私は常にジアゼパムを選ぶでしょう。私は人生の中で、(離脱症状のため)これ以上に脅えていた期間はありませんでした。 ベンゾジアゼピンを断続的に服用していた場合、毎日服用していた場合に比べて、依存形成や減薬・断薬時の離脱症状が少ない傾向にある。 ベンゾジアゼピン乱用は薬物乱用者の間で広がっているが、彼らの多くは時々の服用であるため、たいてい離脱の管理を必要としない。ベンゾジアゼピン依存となっている場合に離脱治療を必要とする。ベンゾジアゼピンの長期投与に利益があるという証拠はほとんど存在しない。長期利用は有害であるという証拠が集まりつつある。徐々に減量を行うことにより、離脱症状を軽減することが推奨される。 離脱に際してはすべてのベンゾジアゼピンを長時間作用型(ジアゼパムなど)に等価置換することが推奨される。クロルジアゼポキシド(librium)もまた長時間作用型で乱用の可能性が低いため、ジアゼパムの代替として注目されている。長期間使用の依存者に対しては、6〜12ヶ月の断薬体制が推奨されており、そのほうが成功率が高まることが明らかになっている。1ヶ月といった急速な減薬法は、より重篤な離脱症状をもたらすため推奨されない。 ベンゾジアゼピンの投薬を中止するときに生じる可能性がある、共通の離脱症状: 抑うつ 動揺 非現実感 食欲衰退 筋肉痙攣 記憶欠如 運動障害 吐き気 筋肉痛 めまい 物体が動き続けているような錯覚 徐々に落下しているような感覚 聴覚過敏 光敏感 独特の味覚 ピリピリ感 触覚過敏 目の痛み 幻覚 嗅覚過敏 すべての鎮静催眠薬・アルコール・バルビツール酸・ベンゾジアゼピンおよび非ベンゾジアゼピン系・Z薬などは多様な作用機序を持っており、GABAA受容体複合体に作用する。それらは交差耐性を持つため、互いに乱用の可能性がある。非ベンゾジアゼピンであるZ薬睡眠薬の使用は、断薬達成者の4分の1において薬物乱用が再燃することがあった。
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