交差耐性
【概要】 交叉耐性とも書く。ある薬に対し耐性をもった場合、他の構造が似た薬にも耐性になってしまうことがある。化学構造がよく似ているほど起こりやすい。抗ウイルス剤でも、抗生物質でも、抗癌剤でも同じこと。従って併用療法は交差耐性がない薬を組み合わせるのが常識である。
【詳しく】 抗HIV薬では核酸系逆転写酵素阻害剤、非核酸系逆転写酵素阻害剤、プロテアーゼ阻害剤の仲間内で発生しやすい組み合わせがある。例えば逆転写酵素の184番目のアミノ酸であるメチオニンがバリンに入れ替わると、3TCに耐性になる。この3TC耐性HIVはFTCにも効かない。このような場合「交差耐性ができた」という。

交差耐性
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/02/23 15:13 UTC 版)
交叉耐性(こうさたいせい)とは、ある生物が1種類の薬剤に対して耐性を獲得すると同時に別の種類の薬剤に対する耐性も獲得することをいう。一般に化学構造や作用機序が類似している薬剤間で生じる。
交叉耐性(cross resistance)は、病原菌が殺菌剤に対して薬剤耐性(drug resistance)を獲得することに関する。
例としては、テトラサイクリン系化合物間、ストレプトマイシンとジヒドロストレプトマイシン、エリスロマイシンとオレアンドマイシンなどの抗生物質間の耐性の獲得である。
交叉耐性(cross tolerance)は、ヒトや動物が同種・同機序の薬物に対して、同量では効力を減弱させていく耐性(tolerance)に関する。
例としては、アルコールに対する耐性とともに全身麻酔に対する耐性の獲得[要出典]、モルヒネの連用による他の麻薬性鎮痛薬に対する耐性の獲得などが挙げられる。
参考文献
- 鹿江雅光、新城敏晴、高橋英司、田淵清、原澤亮編 『最新家畜微生物学』 朝倉書店 1998年 ISBN 4254460198
- 獣医学大辞典編集委員会編集 『明解獣医学辞典』 チクサン出版 1991年 ISBN 4885006104
関連項目
交差耐性と同じ種類の言葉
- 交差耐性のページへのリンク