交差耐性
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交叉耐性(こうさたいせい)とは、ある生物が1種類の薬剤に対して耐性を獲得すると同時に別の種類の薬剤に対する耐性も獲得することをいう。一般に化学構造や作用機序が類似している薬剤間で生じる。
交叉耐性(cross resistance)は、病原菌が殺菌剤に対して薬剤耐性(drug resistance)を獲得することに関する。
例としては、テトラサイクリン系化合物間、ストレプトマイシンとジヒドロストレプトマイシン、エリスロマイシンとオレアンドマイシンなどの抗生物質間の耐性の獲得である。
交叉耐性(cross tolerance)は、ヒトや動物が同種・同機序の薬物に対して、同量では効力を減弱させていく耐性(tolerance)に関する。
例としては、アルコールに対する耐性とともに全身麻酔に対する耐性の獲得[要出典]、モルヒネの連用による他の麻薬性鎮痛薬に対する耐性の獲得などが挙げられる。
参考文献
- 鹿江雅光、新城敏晴、高橋英司、田淵清、原澤亮編 『最新家畜微生物学』 朝倉書店 1998年 ISBN 4254460198
- 獣医学大辞典編集委員会編集 『明解獣医学辞典』 チクサン出版 1991年 ISBN 4885006104
関連項目
交叉耐性
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「ベンゾジアゼピン依存症」の記事における「交叉耐性」の解説
ベンゾジアゼピンは、GABAA受容体の増強作用について様々な鎮静剤と似たような機序を共有する。交叉耐性とは、ある薬が別の薬の離脱の影響を軽減する事を意味する。それはまた、ある薬への耐性は、別の類似作動薬への耐性の結果である。これがベンゾジアゼピンがアルコール依存患者を解毒するために用いられ、振戦せん妄のような重篤な命に関わるアルコールの離脱症候群を予防また治療するという救命の特性を有している理由である。しかしベンゾジアゼピンはアルコール依存症の急性の解毒には非常に有効であるが、アルコールへの欲求を増加させることにより、アルコール依存症の正の強化因子として作用する。低用量のベンゾジアゼピンは、アルコール依存症者のアルコール消費量を有意に増加させる。ベンゾジアゼピンに依存しているアルコール依存症では、ベンゾジアゼピンは急に離脱すべきではなく、非常にゆっくりとした離脱である必要がある。急すぎる離脱は重篤な不安やパニックをまねきやすく、それはアルコール依存症の回復における再発リスクであることがよく知られている。 アルコール、ベンゾジアゼピン系、バルビツール酸系、非ベンゾジアゼピン系薬にわたって交叉耐性が存在し、それは全てGABAA受容体のクロライド・イオンチャネルの機能を調整することで、GABAAの機能を増強する作用がある。
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交叉耐性と同じ種類の言葉
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