アデホビル
分子式: | C8H12N5O4P |
その他の名称: | [2-(6-Amino-9H-purin-9-yl)ethoxy]methylphosphonic acid、PMEA、アデホビル、Adefovir、9-(2-ホスホニルメトキシエチル)アデニン、9-(2-Phosphonylmethoxyethyl)adenine、[2-(6-Amino-9H-purine-9-yl)ethoxymethyl]phosphonic acid、9-(2-ホスホノメトキシエチル)アデニン、9-(2-Phosphonomethoxyethyl)adenine、9-[2-(Phosphonomethoxy)ethyl]-6-amino-9H-purine |
体系名: | 2-(6-アミノ-9H-プリン-9-イル)エトキシメチルホスホン酸、9-[2-(ホスホノメトキシ)エチル]-9H-プリン-6-アミン、[[2-(6-アミノ-9H-プリン-9-イル)エトキシ]メチル]ホスホン酸、6-アミノ-9-[2-(ホスホノメトキシ)エチル]-9H-プリン、9-(2-ホスホノメトキシエチル)-9H-プリン-6-アミン、[2-(6-アミノ-9H-プリン-9-イル)エトキシ]メチルホスホン酸、[2-(6-アミノ-9H-プリン-9-イル)エトキシメチル]ホスホン酸、9-[2-(ホスホノメトキシ)エチル]-6-アミノ-9H-プリン |
アデホビル
【概要】 逆転写酵素阻害剤。正式な一般名はアデホビル・ピボキセル。商品名はヘプセラで開発はギリアド社、発売はグラクソ社。1錠は10mgで薬価は1334円。B型肝炎ウイルスは増殖の過程で一度RNAからDNAに逆転写するため、逆転写酵素阻害剤が有効である。ラミブジン耐性のHBVにも有効。
【詳しく】 抗HIV効果を発揮するにはアドホビルの用量を増加せざるをえず、腎障害が用量依存性に増加したので有効ではあったが断念したという経緯。B型肝炎治療の用量ではHIVには足りないので、HIV感染があることを知らずに使用するとアデホビル耐性のHIVが発生する可能性がある。これがテノホビルと交差耐性になるかは不明。

アデホビル
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/12/20 22:44 UTC 版)
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IUPAC命名法による物質名 | |
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臨床データ | |
胎児危険度分類 |
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法的規制 |
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投与方法 | Oral |
薬物動態データ | |
生物学的利用能 | 59% |
半減期 | 7.5 hours |
識別 | |
CAS番号 |
106941-25-7 |
ATCコード | J05AF08 (WHO) |
PubChem | CID: 60172 |
DrugBank | APRD00781 |
KEGG | D02768 |
化学的データ | |
化学式 | C8H12N5O4P |
分子量 | 273.186 g/mol |
アデホビル(またはアデフォビル、Adefovir)とは、DNAアナログで、B型慢性肝炎の治療に用いられる逆転写酵素阻害剤である。2つのピボキシル基が導入されたアデホビルピボキシル(adefovir pivoxil、Bis(2,2-dimethylpropanoyloxymethyl)[2-(6-amino-9H-purin-9-yl)ethoxymethyl] phosphonate)が製剤として用いられており[1][2]、通常、これについてもアデホビルとして慣用的に呼称される[3][4][5]。商品名はヘプセラ錠10。 グラクソ・スミスクライン株式会社より販売されていたが、2022年5月をもって販売が中止された。
薬理
B型肝炎ウイルス(hepatitis B virus, 以下HBV)は、その生活環のなかでRNAからDNAへの逆転写を行う。ヒトは逆転写を必要としないので、この段階を阻害すればHBVの複製のみを阻止できる。ラミブジンも同様の効果をもつが、逆転写酵素の変異により、薬効を失うことがある。アデホビルはラミブジン抵抗性となる逆転写酵素にも効果があり、複製阻害によりウイルスの増殖を阻止する。HBV共有結合閉環DNA (cccDNA) と呼ばれる段階でのウイルスDNAには作用せず、cccDNAは細胞内に残存するため、継続的に服用する必要がある。
日本では、ラミブジンとの併用が原則であったが、2008年9月よりアデホビル単独での治療が認可された[6]。
副作用
重大な副作用とされているものは、腎不全、ファンコーニ症候群等の重度の腎機能障害、骨軟化症、骨折、乳酸アシドーシス、脂肪沈着による重度の肝腫大である[7]。
ファンコーニ症候群を発症し骨折を引き起こす事があるので、投与中は定期的に血清リンおよびアルカリホスファターゼを定期的に測定する必要がある[8]。
脚注
- ^ グラクソ・スミスクライン 2009, p. 2.
- ^ グラクソ・スミスクライン 2009, p. 9.
- ^ 宮崎将之「ラミブジン耐性B型肝硬変に対しアデフォビル併用療法を開始し,4年後にアデフォビル耐性遺伝子変異によるbreakthrough hepatitisを認めた1例」『肝臓』第50巻第9号、2009年、 514-519頁、 doi:10.2957/kanzo.50.514、 ISSN 0451-4203、2010年5月16日閲覧。論文p519の英題も参照のこと。
- ^ 慶應義塾大学医学部消化器内科. “B型慢性肝炎”. 慶應義塾大学. 2010年5月16日閲覧。[リンク切れ]
- ^ “平成20年度治療ガイドラインの概説(熊田班)”. 国立国際医療研究センター. 2010年4月12日時点のオリジナル[リンク切れ]よりアーカイブ。2010年5月16日閲覧。
- ^ グラクソ・スミスクライン 2009, p. 3.
- ^ “ヘプセラ錠10 添付文書” (2017年12月1日). 2019年1月22日閲覧。
- ^ “へプセラ錠適正使用に関するお願い (PDF)”. グラクソ・スミスクライン (2015年7月). 2015年7月7日閲覧。
参考文献
- “ヘプセラ錠10 (PDF)”. グラクソ・スミスクライン (2009年8月). 2010年9月23日時点のオリジナル[リンク切れ]よりアーカイブ。2010年5月16日閲覧。
関連項目
- アデホビルのページへのリンク