他宗教勢力の見方とイスラム時代以前の世界の見方について
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「ルーホッラー・ホメイニー」の記事における「他宗教勢力の見方とイスラム時代以前の世界の見方について」の解説
ホメイニーは著作に於いて「イスラムの支配下に於いて異教徒は一定程度の人権を守られるだけで満足するべきであり、政治的権利など与えられない」と主張している。著書において、現代においてもジズヤ徴収(すなわちズィンミー制)は有効だと主張している箇所がある。 パフラヴィー朝下の1962年10月6日に、政府が地方選挙において選挙権・被選挙権をムスリムのみに限った条項を撤廃し、バハイ教徒などにも市民権を拡大させようとした時には、バハイ教徒を背教者として憎悪する12イマーム派の立場から、同僚の法学者とともに激しい抗議運動を行い、同法を撤回させた。しかし、後に「彼ら(バハイ教徒)が我々(ムスリム)をしだいに弛緩させて相互に離反させ、各個人に「宗教義務」を明らかにした結果、[我々]に言葉の違いと混乱が広がった。そして今や、彼らが望むことを何でもムスリムたちやイスラーム国家に対して行っている」と主張している。 著書でイスラム以前の時代に関して、アメリカ先住民を「野蛮な状態で日々を過ごす半開化の赤色人」、古代の(自国である)イランとローマの国家を指して「専制支配、貴族性、差別性の下にあり、専横なる人々の支配下で、人々や法による統治の痕跡は無かった」と述べている。イスラム教では、発祥の地であるアラビア半島のこともイスラム教以前の時代は「ジャーヒリーヤ時代(無知、無明時代)」とされ、野蛮な時代とされている。 イスラエルのユダヤ人に対してはイスラエルのパレスチナ占領およびパレスチナ人への抑圧という事情もあって対立する立場で、イスラームの初期におけるユダヤ人との確執を「反イスラームの宣伝と陰謀」とし、現在のパレスチナ問題に至るまでこの対立が尾を引いたものと認識している。 また、公正なる支配者に関する記述で、「ムスリムたちと人類社会を統治するものは常に公的な諸面と利益に配慮し、個人的な諸面や個人的な愛着には目をつむらなければならない」とし、それゆえにイスラームでは社会、人類の利益に反する部族・集団は滅ぼしてきたとしている。例としてムハンマドがクライザ族が腐敗を増やしていたために滅ぼした(クライザ族虐殺事件)ことを挙げている。
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