他医療団体との対立
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/06 22:57 UTC 版)
医療費削減の流れで削減が見込まれる報酬を確保する動きもあり、診療報酬改定時には他医療職団体を批判する発言を幹部が行い、たびたび波紋を引き起こしている。医科である診療報酬とは別に、調剤報酬について意見する事例もみられ、2013年には大手調剤薬局チェーンの役員報酬が6億円超との報道を受け、「医師は粥すすり、薬剤師はすき焼き三昧」と日本薬剤師会の学術大会である日本薬剤師会学術大会で発言し、波紋を呼んだ。 2015年には、ドラッグストアチェーンが「薬のカルテ」と呼ばれる薬剤服用歴(薬歴)を記載せずに患者へ薬を出していたことを受け、これまで積極的に関与してこなかった薬剤師の調剤報酬の改定にも積極的に関与する方針を示し、「行きすぎた医薬分業、押し戻す」と発言して、中医協において医薬分業批判を行った。 薬局業界から提起された診療所での医師の無資格調剤批判に対して、「医師の指示があれば問題ない。薬剤師とは法の組み立て異なる」と、診療所において無資格調剤がある事を認めた上、診療所の無資格調剤は問題ない旨の発言をした。これに対して、日本薬剤師会から「調剤は少なくとも薬剤師の仕事」「誤解が生じているのではないか」と反論されるなど、波紋を引き起こす事になった。2016年にも、日本医師会傘下の日本医師会総合政策研究機構が同様の発表をし、日本薬剤師会が「医師の調剤行為は例外を除き禁止である」と反論するなど、再び波紋を呼んだ。なおこの件に関しては、昭和47年及び昭和59年の国会答弁内で「医師の監督権はない」と厚生大臣や局長が答弁している。 2017年、中医協の場で医師会所属の委員は大手調剤薬局の社名を名指し、「患者からの同意を得たかかりつけ薬剤師が不在の時、他の薬剤師が対応し、かかりつけ料を算定していないか心配だ」などと不正請求の疑惑をかける発言をした。これに対して、大手調剤薬局が委員の発言を全否定するプレスリリースを出すという異例の事態を招いている。 2018年7月5日に開催された厚生科学審議会・第4回医薬品医療機器制度部会において、これからの薬剤師の在り方に対する議論をする際、日本医師会副会長である委員が「医薬分業自体を見直す時期に来ているのではないか」と発言、2015年3月12日に開催された内閣府の規制改革会議内で「医薬分業を推進すべき」とした意見とは正反対の意見を表明し、過去の議論を蒸し返すような発言をした。 2018年7月25日の同審議会でも「医薬分業の根本的な議論をすべきという議論が多々あったと思うが、それはどのように反映されるのか」と指摘、さらに「薬剤師が働きを変えれば医薬分業のメリットが感じられるとは誰も言っていない」と、不満を述べた。また今まで発言してこなかった病院薬剤師においても「病院薬剤師が輝いていない」と発言し異論が噴出、他の委員から「病院の薬剤師は輝いて活躍している」と反論を受けた。
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