京阪1650型電車とは? わかりやすく解説

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京阪1650型電車

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/04/18 08:46 UTC 版)

京阪1650型電車(けいはん1650がたでんしゃ)は、かつて京阪電気鉄道(京阪)に在籍した通勤型電車


注釈

  1. ^ もっとも、全車が大阪向きで落成した1700系の制御電動車1750型のような例外も存在する。
  2. ^ 同時期に落成した他社の車両においては大阪市交通局大阪市営地下鉄1100形1200形が同様にウィンドウシルを備える。
  3. ^ 1000型・1100型・1200型・1500型の戦前製各形式。戦後新製された1300系以降においては客用扉幅が1,150mmとわずかに縮小された。
  4. ^ 本形式においても戸袋寸法の都合上片側数十mm程度の引き残りが生じたことから、実際の有効幅は1,200mm未満であった。
  5. ^ 2重になった戸袋窓の間から乗客に見える構体内部は銀色に塗装されていた。
  6. ^ 他に、山陽電気鉄道3000系電車阪急8200系電車のように窓配置の都合と採光の必要から運転台後部にのみ設けたケースや、格下げ・3扉化改造後の阪急2800系電車のようにデザインの観点から必要な箇所に限って採用したケースが存在する
  7. ^ 1954年(昭和29年)5月に更新出場した500型501において初めて採用された。
  8. ^ 新造時よりロングシートであった1800型量産第1編成、つまり1803-1881+1804の3両の座席は奥行が555mmで本形式と同寸であった。なお、本形式の連結相手となった1300型の座席奥行寸法は460mm(座面)+80mm(背もたれ)=540mmで、これと比較して15mm奥行が拡大したことになる。また、続く600系 (2代)では奥行が550mmに5mm短縮されている。
  9. ^ KS-15を代替したKS-51もFS310を代替したFS327も、いずれも枕ばねを空気ばね化した以外は代替対象の両形式に準じた設計・機構を備える。
  10. ^ 1660も前2両と同様にFS310を装着するが、こちらは1810系1816の台車交換に伴って発生した台車を流用したものであった。
  11. ^ いずれも直径152mm、全行程110mmのブレーキシリンダーを各台車に2基ずつ、計4基搭載していた。なお、FS310のブレーキシリンダーは側梁とトランサムの接合部付近に取り付けられており、外部からは見えない。
  12. ^ 後に本形式増備に伴って新たに編成された1300型1303・1304・1310・1312については車体塗装のみの変更に留まり、車内設備には手を加えられなかった。ただし、淀屋橋地下線の特許に伴い不燃化対策などの必要が生じたことから、1959年以降、屋根板の金属板への交換に合わせ、これら4両を含む1300系の近代化改造工事が未施工の全車について室内灯の蛍光灯化・車内放送設備の設置、扇風機用配線の引き通しなどといった接客設備の改良工事が開始されている。
  13. ^ なお、この試験期間中の型式変更は実施されていない。
  14. ^ これを超過した場合は過電圧による回生失効となり、界磁調整器の動作を停止してHSC-D電磁直通ブレーキに移行する。
  15. ^ 本形式で採用された、東洋電機製造のサーボモーターによる界磁接触器を用いる方式は、トランジスタによる電子的な制御回路の開発によって定速制御の実装が可能となり、阪急2300系電車1960年)において実用化された。
  16. ^ この20%という値は電機子側弱め界磁率の数値であり、分巻界磁側は実に約6%もの弱め界磁率を許容する設計とされた。
  17. ^ TDK-813A主電動機の最大許容回転数は4,500rpmであり、歯車比6.0/車輪径860mm時における同回転数時の速度は約121km/hとなる。ただし、営業運転では車輪径が新製時の860mmではなく摩耗して780mm程度まで縮小した状態を考慮する必要があり、この場合の最高速度は約110km/hとなる。なお、歯車比6.5としてこの電動機を採用した2000系では設計上の平坦線釣合速度110km/h、最高速度100km/hとなったが、実際には最高許容回転数で回した場合にフラッシュオーバーが起きやすく、また回生制動時の発生電流量が過大であった。このため、それらの対策として同系列では営業運転開始前に電動機の最高回転数を約10パーセント引き下げた最高速度90km/hでの運転が車両部から通達されている。
  18. ^ そもそも中空軸平行カルダン駆動とWNドライブとではギアボックス吊り受け座の取り付け位置や角度などが異なるため、同型台車に無改造で相互互換性を持たせて装架可能とはできない。このため、中空軸平行カルダン駆動に対応する試作電動機を装架するには、これに対応した吊り受け座や支持架を備えた台車が必要で、その点で同方式に対応するKS-15を装着し、しかも電装準備工事も新造時から行われていた1650型は試験車両とするのに好適な条件を備えていた。
  19. ^ 営業運転投入に際しては、車内中吊り広告部分に同2両が高い加減速性能を有する高性能車である旨と吊革を増設したので、必要に応じその吊革を利用するよう記載された宣伝広告が掲示された。
  20. ^ 同2両に搭載された機器は完成度が高く、実用上大きな問題は発生しなかったことから、2000系の新製に際しては歯車比の変更(78:12=6.5)・制御回路の小変更・磁気増幅器の小型化が行われた程度で、ほぼそのままの仕様で受け継がれることとなった。
  21. ^ 600系 (2代)への更新に際しては主電動機の更新による出力向上ならびに弱め界磁ノッチ新設が行われたため、動力を持たない付随車を組み込む余裕が生じたことによる。
  22. ^ 両形式共に元来中空軸平行カルダン駆動、あるいはWNドライブ用台車として設計されたものであり、KS-15全数とFS-310の1両分は実際に1810型1811 - 1816で電動車用として使用されていたものであった。このため、台車枠のトランサム(横梁)に主電動機を装架するための支持架やギアボックスを支持するための吊り受け座が用意されていたが、これらは吊り掛け駆動方式に対応するTDK-517系電動機に適合する構造ではなく、改造の手間を考慮すれば既に主電動機を装架済みの旧600型・旧700型用の台車と振り替えを実施する方が合理的であった。
  23. ^ 住友ST-31は鋳鋼組立式台車枠を、日車NS84-35は形鋼組立式台車枠をそれぞれ有する釣り合い梁式台車で、特に後者はインチサイズで示された軸距とポンドで示された心皿荷重上限を1/1000とした値を組み合わせたその形式が物語るように、ボールドウィンA形台車の忠実な模倣品の1つである。いずれも本形式への装着に際して枕ばねのオイルダンパー併用コイルばね化が施工され、前者はST-A、後者はNS-Aと改称されている。 なお、ST-Aを装着した631 - 635(元1651 - 1655)は竣功後間もなく他車と台車交換を実施してNS-Aを装着し、本形式の装着する台車は日車NS84-35に由来するNS-Aで統一された。
  24. ^ 続く700系 (2代)では電動車の車輪径が種車の関係で630型と同様に914mmとなったため、歯車比をこれと同じ3.045に設定している。主電動機も共通のため、同系列も走行性能は本形式や600系 (2代)と同一で、これら3者は運用上同一扱いで混用可能(実際に700系で余剰となった中間電動車が600系編成に組み込まれて運用されている)であった。
  25. ^ 更新前の700型(初代・主電動機4基搭載)の全負荷時定格速度は53km/h、牽引力は1,630kgであった。このため、定格速度を約17パーセント引き上げつつ牽引力を約28パーセント強化する、という高速運転と通勤時の過荷重の双方に対応する性能強化が実現したことになる。

出典

  1. ^ a b 『車両発達史シリーズ1 京阪電気鉄道』 p.104
  2. ^ 『鉄道ピクトリアル No.456』 p.105


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