「スーパーカー」先行試験車
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/04/18 08:46 UTC 版)
「京阪1650型電車」の記事における「「スーパーカー」先行試験車」の解説
昭和30年代以降の高度経済成長に伴って京阪線沿線の開発が急速に進行したが、それと正比例して通勤輸送に対する需要も急激な高まりを見せた。特に沿線のベッドタウン化が著しい枚方市以南における朝夕ラッシュ時の混雑は非常に激しいものとなり、列車運行遅延の常態化という厳しい問題に直面することとなった。当時の京阪における本格的な通勤形車両は本形式以外に存在せず、主力車両は2扉構造の従来車であったことから、混雑時間帯においては旅客の乗降に多くの時間を要することは避け様がなかった。加えてそれらは押し並べて加減速性能とも低劣なものであったことから、特に普通列車運用に充当した場合後続の列車に対して多大な影響を及ぼすなど、遅延の最たる要因となっていた。 このような状況を鑑み、京阪においては通勤輸送に適した3扉構造を採用し、かつ高い加減速性能によって後続列車に与える影響を軽減するのみならず、普通列車自体の運転時分短縮を実現する次世代通勤形高性能車の設計を開始した。次世代通勤形車両は高い加減速性能を備えることに加え、日本国内において前例のない平坦線における停止用回生制動を常用するという省エネルギー性にも配慮した高性能車として計画されたことから、搭載予定の主要機器もまたその多くが前例のない新機軸を採用したものであった。そのため、それら主要機器をいきなり新型車両に搭載するのではなく、既存の車両を用いて実用試験が実施されることとなったが、当時の在籍車両中経年が一番浅く、かつ電動車化を前提とした設計であった本形式が実用試験車両に選ばれ、1959年(昭和34年)2月に中空軸平行カルダン駆動対応のKS-15台車を装着する1651・1652の2両に試作機器を搭載し、電動車化を実施した。
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