井の頭公園アートマーケッツ
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「井の頭恩賜公園」の記事における「井の頭公園アートマーケッツ」の解説
井の頭公園アートマーケッツは公園利用の適正化と露店の出店や屋外パフォーマンスのルールを明文化したものである。これらに対して一定のルールを設けることによって、アート発信の場所として井の頭公園の魅力を活かそうとする全国的にも画期的な試みである。 その背景には、それまで週末や休日には、露店や大道芸、弾き語りなどのパフォーマーが集まり、井の頭公園の魅力の一つとして知られていたことを挙げることができる。実際にはそれらの行為は都市公園法違反の無許可占有であった。東京都西部公園緑地事務所には、近隣住民から騒音や治安の悪化、通行の支障になるなどの苦情も多く寄せられていた。 そこで、井の頭恩賜公園100年実行委員会が主体となり、2007年(平成19年)1月13日より、東京都西部公園緑地事務所を事務局に、井の頭公園アートマーケッツの実施を開始した。この井の頭公園アートマーケッツは、上述した苦情に対応して、都市公園法との調和を図った上、「水と緑の再生」、「公園を核とする街の賑わいの創出」を柱にして、地域の活性化を図ることを目的とするものである。 井の頭公園アートマーケッツに「出展」したい希望者は例年12月に公表される募集概要に基づき応募する。応募できるのは満16歳以上の日本国内居住者であり、16~19歳の場合は親権者の同意が必要となっている。審査に通った場合、年間登録料(12,000円)を前払いで全額支払う必要がある。なお、井の頭恩賜公園100年実行委員会は、登録料のすべてをマーケットの運営のためだけに使用するとしている。 井の頭公園アートマーケッツは、基本的に土日祝日開催され、開始は朝9時、終了は夏季は午後7時まで、冬季は午後5時まで行われる。なお、桜の開花時期は開催が休止される。井の頭公園アートマーケッツは、物品の販売は手作りの品に限られ、リサイクル品や食品の販売は禁じられている。この点で、フリーマーケットとは異なっている。 井の頭公園アートマーケッツは改善すべき問題も多く抱えている。全国的にも前例が無いため、試行中の面も残る。 例えば東京都は、この井の頭公園アートマーケッツとは別に、並行してヘブンアーティストというライセンス制度も行っているが、ヘブンアーティストはオーディション等の審査を経て合格すれば、一年中活動できる上、登録料等は無料であり、都内数十箇所での活動が可能である。アートマーケッツではヘブンアーティストのライセンスの有無に関係なく登録できるが、運営の対象にアーティストも含まれているのにもかかわらず、アートマーケッツとヘブンアーティストの登録条件に格差があり、一部のアーティストから不満が出ている。 活動ポイントの場所取りは早いもの勝ちで、始発前から場所取りをするものもいる。また、パフォーマーでありながら、パフォーマンスを行わず物販だけをしているものもおり、一部のアーティストから不満が出ている。 登録パフォーマー・アーティストは100年実行委員会のウェブサイトを参照。
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