九二式焼夷弾弾薬筒/九二式焼夷実包
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/09/30 03:53 UTC 版)
「ホ式十三粍高射機関砲」の記事における「九二式焼夷弾弾薬筒/九二式焼夷実包」の解説
全備重量119.5g、焼夷剤として黄燐1.5gを使用。400mまで焼夷能力を有し航空機の燃料タンクや気球の気嚢への着火を目的とする。
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九二式焼夷弾弾薬筒/九二式焼夷実包
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/02/22 16:33 UTC 版)
「九二式車載十三粍機関砲」の記事における「九二式焼夷弾弾薬筒/九二式焼夷実包」の解説
本弾薬筒は普通弾および徹甲弾と共に弾倉中で混用するか、あるいは本弾のみを連続発射して、航空機の燃料タンクもしくは気球の気嚢に命中・点火させ、これを焼き払うことを目的とし、併せて曳煙・曳光により射弾を有効に目標に導くことを目的とする。 弾丸は径13.5mm、長さ61.7mm、重量約51.5gで、被銅黄銅製の被甲、頭部弾身(白銅製の被甲および硬鉛製の弾身からなる)、軟鋼製の底部弾身、黄銅製の座板(座金)、焼夷剤の黄燐からなる。頭部弾身の周囲には16条の縦溝があり、その下端を繋ぐ1条の太い横溝がある。なお、この横溝に隣接する弾丸被甲部には径0.8mmの噴気孔1個が設けられており、盤陀蝋で塞がれている。焼夷剤として黄燐1.7gが弾頭部に填実され、弾底部には座板(座金)を挿入し、更に盤陀蝋で密閉している。薬筒は九二式普通弾弾薬筒と同一であり、全備重量は約119.5gである。本弾丸は砲身内前進中に、熱によって被甲の噴気孔を塞ぐ盤陀蝋が溶融し、弾頭部に填実された黄燐も溶融して頭部弾身の縦溝および横溝を伝って噴気孔から流出し、空気と接触して燃焼する。弾丸の飛行中、黄燐の燃焼によって昼間は曳煙、夜間は曳光して弾道を示し、可燃物に命中した際はこれを焼き払う。 本弾丸の初速および1,500mにおける平均弾着点は九二式普通弾とほぼ同等であり、命中精度はやや劣る。ガソリンを少量充填した航空機用ガソリンタンクに対しては、約400m以内で焼夷能力を発揮した。ただし、ガソリンタンク上部の気化ガスの充満する部分に数発連続命中させる必要があった。また、水素ガスを充填した気球に対しては、約600mまでは1発で焼夷能力を発揮した。本弾丸の昼間の曳煙距離は約1,000m、夜間の曳光距離は約1,300mであるが、昼間の曳煙は、適切な投影物がない時は側方よりの目視は困難である。また、曳煙・曳光距離は気温の影響が大きく、夏季においてはかなり短くなる。 本弾薬筒は1933年(昭和8年)4月より陸軍造兵廠において設計・研究し、数次の試験を経て機能・弾道性共に概ね良好であると認められた。陸軍技術本部は更に同年11月に富津射場において機能・弾道性・焼夷性能の審査を行ない、結果十分実用に適するものと認められ、1934年(昭和9年)8月に仮制式制定が上申された。 弾薬統制要領により、本弾薬筒は廃止となった。
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