乗車・降車方法
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/04 18:56 UTC 版)
「ワンマン運転#乗客の乗降方法」も参照 路線バスでは、道路交通法により原則として、バス停留所(バス停)や、駅前などに設けられたバスターミナルで乗降する。乗降客が極端に少ない区間等の特に認められた区間では、バス停以外の場所であっても運転手に合図をすれば乗降できる「フリー乗降制」となっている場合もある。 運賃は、均一料金制の場合(都市部に多い)と、距離に応じて金額が上がってゆく場合(対キロ制・区間制)とがある。 都市部の均一料金制の場合は運転手のいる前方のドアから乗車して運賃を支払い、後方または中央のドアから降車する「前乗り後降り先払い」が多く採用され、東京都の均一運賃地域、神奈川県の横浜市や川崎市、愛知県名古屋市、沖縄県那覇市(民間事業者の那覇バス)、兵庫県の伊丹市や尼崎市などが該当する。また中小都市や郡部でもコミュニティバス限定で採用される事がある。 対キロ制・区間制料金の場合は、後方または中央のドアから乗車し、前方のドアから出る際に運賃を支払う「後乗り前降り後払い」が基本となる。国内では前者に比べてこの方式が圧倒的に多く、ほとんどのバス事業者で用いられていると言っても過言ではない。また大阪市や兵庫県神戸市といった関西の大都市や、長野県の松本市(民間事業者のアルピコ交通・旧松本電鉄バス)のように均一運賃地域の路線であってもこの方式を採用しているケースも少なくない。 なお、長距離を走行する一般路線バスは、乗車時間が長く乗降回数が少なく、座席をなるべく多く提供する目的もあり、トップドア車と呼ばれる前扉のみのバスが採用されていることが多い。この場合、出入口が前扉で共通になっている「前乗り前降り後払い」となる。さらに、箱根登山バス(神奈川県)や弘南バス(青森県)のように中扉や後扉がありながら乗降で使用しない事業者でも「前乗り前降り後払い」となる。 「後払い」方式の場合の一般的な支払い方法は、乗車する際に乗車場所ごとに番号が振られた整理券を取るか、PASMO等の交通系ICカードを入口側のカードリーダーにタッチして乗車記録をする。降車の際に、運賃表で確認した整理券の番号に応じた運賃を運転席横の運賃箱に入れるか、ICカードを運賃箱側のカードリーダーにタッチして運賃を支払う。 また、信用乗車方式といわれる、行き先を運転手に告げ、行き先までの運賃を乗車時に運賃箱に入れる方式も存在している(横浜市営バスの対距離区間や神奈川中央交通の横浜市内路線、東京ベイシティ交通、大利根交通などはこの方式で「前乗り後降り先払い」である)。また、現在も採用している路線は非常に少ないが、整理券を取らずに乗車し、降車時に乗車停留所を告げて運賃を支払う方法もある。 特殊なケースとしては、営業運行中に途中停留所を境に乗降方式が変わる路線も過去に存在しており、神奈川中央交通大和営業所(現在は神奈川中央交通東へ移管)が運行していた町71系統が該当していた。この路線は町田バスセンター(東京都町田市)と中山駅(神奈川県横浜市緑区)を結んでいたが、途中の青葉台駅(同市青葉区)を境に町田側は「前乗り前降り後払い」方式、中山側は「前乗り後降り先払い」方式として運行していた。
※この「乗車・降車方法」の解説は、「路線バス」の解説の一部です。
「乗車・降車方法」を含む「路線バス」の記事については、「路線バス」の概要を参照ください。
- 乗車・降車方法のページへのリンク