中国雑技団とは? わかりやすく解説

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中国雑技団

読み方ちゅうごくざつぎだん
【英】:Chinese-Acrobat-Team

世界的に高い評価受けている中国アクロバットチーム中国各地雑技団はあるが、特に上海雑技団が有名である。

そのレベルの高さは筆舌に尽くしがたい驚くべき事にメンバーはほとんどが15歳前後若者。幼い時からかなりの訓練積み重ねてきたエリートたちであろう

雑技には2000年上の伝統があるといわれ、難易度もちろんのことその芸術性の高さ、奇抜な発想他の追随を許さない何十段の椅子積み重ねてバランス、足で傘や織物をまわす足技複数人で行うディアボロ演技などどれもが長い歴史の中培われてきたものである

お中雑技団では危険な芸をするとき命綱をすることが法律義務付けられいるらしい


雑技

(中国雑技団 から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/03/10 15:19 UTC 版)

『オランダ東インド会社とタタール人、奴隷、シニシュケーゼ』という書籍の第263ページ、図364に描かれた清国人が雑技をする様子。1666年アムステルダムにて出版。

雑技(ざつぎ)とは、中国のサーカスとして世界的に知られ、長い歴史と中華民族の特色を持つ公演芸術である[1]

雑技を主な業務とする組織や会社・団体は、「雑技団(ざつぎだん)」と呼ばれる。

語源と漢字表記

中国

  • 漢文では、「雑」の代わりに、人偏の「雑」と表記することもしばしばある。
  • 中国政府の公式サイトに拠ると、中国語では中華風の曲芸奇術幻術魔術体操、演舞、歌舞など、身体的技術を必要とする全ての「」が「雑技」という言葉でまとめられているとされている[1][2]

日本

  • 近代以前の日本語では、奈良時代に日本に伝わった様々な中国の芸能も雑技と呼ばれ、それが「散楽」のルーツとなり、日本で独自に発展していた[3][2]
  • 現代の日本語では、雑伎は特に「中国のサーカス」を指すようになった。日本語における「雑技」の定義がいつ変わったのかは、現在でも不明である。

なお、「雑」という漢字は日本の新字体であり、本場の中国では繁体字の「[4]」や簡体字の「[5]」と表記される。本記事では日本の『常用漢字表』に従い、以下すべて「雑技」の表記に統一する。

歴史

中国における雑技芸術は、旧石器時代にその起源があり、長い歴史を誇る。

現代の雑技でよく披露される『飛技板』という手技演目は、新石器時代に遡ることができる。ほかにも『飛叉』や『拉弓』、『舞流星』、『馴獣』など、いずれも古代に起源を持つ技がある。

「雑技」という漢字表記自体は、秦代(紀元前221年~紀元前207年)あるいはそれ以前から存在していたとされる。秦代には雑技が体系化されていなかったが、中国の民間では既に『角抵(かくてい)』など、娯楽性の高いショーが盛況を極めていた[6]。『角抵』は、角の飾りをつけた男性たちが戦い、観客に見せる競技である。

前漢(紀元前206年 - 8年)になると、音楽劇物語の要素が取り入れられ、『百戯(ひゃくぎ)』という言葉が使われるようになり、様々な中華風のパフォーマンスを指すようになった[7]。漢代の雑技には手品アクロバットレスリング音楽ダンス武道馬術ジャグリングなどが含まれていた[8][9]

後漢(25年 - 220年)の学者である張衡は、『西京賦』という作品の中で長安の繁華が描かれ、社会の贅沢な風潮が皮肉られ、数多くの雑技や幻術の演目が記録された[10]。また、『東海黄公(東海の神様の技)』や『魚龍蔓衍(魚と龍の舞い)』、『総会仙倡(仙人たちの合唱)』などの演目が行われ[7]、現代でも見かける技、例えば火を吹いたり、剣を飲み込んだり、高い棒を使ったアクロバットを行う青年たちが登場していた[11]

時代が進むにつれ、雑技はさらに洗練され、唐代(618年~907年)には、シルクロードを通じて中央アジアから伝わった『散楽』が中華風にアレンジされ、雑技と融合していた[12][13]。また、外国からの文化を取り入れることで、雑技は中華宮廷での人気は次第に衰え、逆に新しいものを好む民間に広がり、街角で演技を行うパフォーマーが増えていた。

宋代(960年 - 1279年)には、雑技は「瓦子(がし)」という専門の娯楽施設で行われるようになり[14]、瓦子の建築物はの三色が定番となった。

明代(1368年 - 1644年)には、崑曲京劇が雑技の技術を取り入れ[15]、雑技は中華祭りの雰囲気を盛り上げる定番となった。

清代(1644年 - 1911年)には、再び宮廷で人気を取り戻し、現在に至るまで続いている。

中華人民共和国の時代(1949年 - 現代)には、雑技は「遊びのためのモノ」から「中国の伝統芸術」として尊重され、各地域に専用の劇場が設立され、数多くの雑技団が結成されました。中には世界的に有名な団体もあり、国内外で満員の観客を集める現象が多く見られている。

現状

中国の雑技団

中央政府

1990年代に入り、雑技は世界中で広く認知されるようになった。

  • 1950年、雑技は中華人民共和国によって現代化され、テーマショーとして再構築され、中国政府による初の雑技団である『雑技王・中国雑技団』が設立された[16][17]。その後、様々な雑技団は中国の体技芸術を代表し、欧州各国を巡演していた。
  • 1994年に発表された『金色西南風』という雑技演目は、中国雑技団の技術に新たな改革を加え、世界へ紹介する切っ掛けとなった[11]。また、中国各地の省や市でも政府運営の雑技団が次々と設立され、演目にはサーカス手品だけでは無く、中国独自の要素も意図的に取り入れたものが多くなった。

現在の中国には、県級以上の専門雑技団が100以上存在し、雑技に携わる人々は1万人を超える。古代とは異なり、現代の中国では女性の雑技役者が力強さと優雅さを兼ね備え、男性がスピード感あふれる動きと華やかな舞台演出を融合させる傾向にある。

有名な会社として、『上海雑技団』、『広州雑技団』、『武漢雑技団』、『重慶雑技団』、 『瀋陽雑技団』、『西安雑技団』などがある。

上海

中国は体操競技の世界的大国であり[18]、上海雑技団のアクロバティックな技は有名である。

雲峰雑技団は2004年に設立され、山東省から選りすぐりの団員を上海に集めて結成された。一台の自転車に12名が乗る自転車技や、フラフープタイタニック風の音楽に合わせて舞台や客席上を駆け巡るロープ技など、数々のバイクショーを披露している。

広州

1999年広州市政府の『広州雑技団』は、中国軍所属の魏葆華と吴正丹夫妻によって、『白鳥の湖』を基にした「雑技バレエ」を制作した[19]。この雑技版の白鳥の湖は、2002年2004年の『モンテカルロ国際アクロバット大会』で最高賞を受賞し、日本を含む世界各地で巡業している[20]

日本の雑技団

日本では雑技の公演が多く、雑技団も多く活動しているため、中国以外の国々に比べて雑技を観る機会に恵まれている。また、日本を拠点に活動する雑技団もあり、たとえば『中国大黄河雑技団』は中国各地から選抜・招聘された団員によって編成されている[21]

奈良県では、平城京や天平祭に関連する文化イベントで「奈良時代の日本」と「隋王朝唐王朝の中国」との歴史的な関係を背景に、雑技団を招いて演出が行われることがよくある[22][23][24]

出典

  1. ^ a b 中国雜技芸術工作概述”. 中華人民共和国 中央人民政府 (2003年). 2025年3月10日閲覧。
  2. ^ a b ルーツの伝来(源流)”. www2.ntj.jac.go.jp. 能楽への誘い. 2025年3月10日閲覧。
  3. ^ 雑技団?演舞?「散楽(さんがく)」いったい何なのか知っていますか?”. 日本文化と今をつなぐウェブマガジン. Japaaan magazine. 2025年3月10日閲覧。
  4. ^ 雑技主題知識”. 中華民国台湾政府. 2025年3月10日閲覧。
  5. ^ 中国雑技网”. www.21caa.org.cn. 中国雑技家協会. 2025年3月10日閲覧。
  6. ^ 甚麼是角抵之戯?”. 中国華文教育網 (2022年5月2日). 2025年3月10日閲覧。
  7. ^ a b Faye Chunfang Fei, ed (2002). Chinese Theories of Theater and Performance from Confucius to the Present. University of Michigan Press. pp. 24–25. ISBN 978-0472089239. https://books.google.com/books?id=CiQegTh99-wC&pg=PA24 
  8. ^ Richard Gunde (2001). Culture and Customs of China. Greenwood. p. 104. ISBN 978-0313361180. https://books.google.com/books?id=YMT4U_abB6oC&pg=PA104 
  9. ^ Wang Kefen (1985). The History of Chinese Dance. China Books & Periodicals. pp. 20–27. ISBN 978-0835111867 
  10. ^ 錢 瑋東 (2022年3月). “敦煌永隆本《文選》〈西京賦〉 抄寫底本問題新證”. 《漢學研究》0254-4466 第 40 卷第 1 期. pp. 16-24. 2025年3月10日閲覧。
  11. ^ a b The acrobatic Theme show and its origin in the Hundreds Entertainment”. March 9, 2005時点のオリジナルよりアーカイブ。2007年5月25日閲覧。
  12. ^ サーカスのシルクロードへ遙かなる夢”. deracine.fool.jp. 2025年3月10日閲覧。
  13. ^ 今駒清則 大地の能~外来芸能への旅”. komma.jp. 2025年3月10日閲覧。
  14. ^ 陶晉生 教授 (2013年7月). “宋代娛樂生活—瓦舍文化”. 東吳大學 歷史學系. pp. 17-21. 2025年3月10日閲覧。
  15. ^ 中華人民共和国 文化部 元副部長: “特集/国際文化交流の推進 中国および韓国との交流”. 日本の文化庁. p. 2 (2007年7月). 2025年3月10日閲覧。 “これでは京劇とは立ち回りと舞踊、果ては雑技のテクの多い演目に偏るきらいがあった。”
  16. ^ 雑技王・中国雑技団|財団法人 民主音楽協会”. china.min-on.or.jp. 2025年3月10日閲覧。
  17. ^ 日中国交正常化35周年記念 中国雑技団「龍鳳伝説」”. www.min-on.or.jp. 2025年3月10日閲覧。
  18. ^ BBC - Ollie Williams: Understanding China's gymnastics powerhouse” (英語). www.bbc.co.uk. 2025年3月10日閲覧。
  19. ^ Acrobatic Ballet "Swan Lake"”. 中国広州雑技団 (2004年10月27日). 2025年3月10日閲覧。
  20. ^ The "Swan Couple" conferred First Class Meritenglish.chinamil.com.cn 2006-06-15
  21. ^ 新春!中国雑技芸術団ショー”. 明日! (2020年1月4日). 2025年3月10日閲覧。
  22. ^ 職人タカシ (2022年5月10日). “天平祭 | 2022フォト | 平城京 | 奈良世界遺産”. osakajewelry. 2025年3月10日閲覧。
  23. ^ 平城宮跡で平城京天平祭2023年”. 奈良の地域情報誌 (2023年4月7日). 2025年3月10日閲覧。
  24. ^ 天平祭 秋の散楽フェスタ i平城宮跡歴史公園”. 共同通信PRワイヤー (2024年10月2日). 2025年3月10日閲覧。

関連項目




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