下伊那藩
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「風の市兵衛シリーズの登場人物」の記事における「下伊那藩」の解説
黒川 七郎右衛門(くろかわ しちろうえもん) かつて「天竜組」の一員だったが、実は軒春の密偵として彼らの動向を探っていた。その報酬は、軒春が家老に取り立てられた後に勘定奉行になることだったが、その約束を反故にされたために中馬に命じて軒春を殺させる。 その後側用人となって権勢を振るっていたが、対立する派閥の者に斬られ、秘密裏に治療を受けるため「天竜組」の同志だった宗秀を呼び出した。宗秀の口から赤木姉弟が彼を敵と狙っていることを知って、軒春の遺した秘帖が宗秀の手に渡り、自身が軒春の密偵として「天竜組」に加わっていたことが明らかになることを恐れて、中馬に秘帖の奪取と赤木姉弟の殺害を命じた。 事件発覚後、解任されて国元に戻され、裁きの後然るべき刑罰を受けることになった。 中馬 新蔵(ちゅうま しんぞう) 元は中馬の馬方だったが、黒川に剣の腕を見込まれて侍となり、暗殺仕事を請け負った。真剣を素手で握って動けなくするほどの握力を持つ。黒川の命により、軒春や賢右衛門を殺し、理緒にも深手を負わせた。下屋敷で療養中の黒川の元を訪れて問責する宗秀にも襲いかかるが、同行した市兵衞に斬られる。 平山(ひらやま) 江戸家老。元天竜組。事件解決後、解任されることになった。 岡下(おかした) 福士(ふくし) 江戸詰の年寄。元天竜組。事件解決後、解任されることになった。 溝口(みぞぐち) 新条(しんじょう) 国元の年寄。元天竜組。事件解決後、解任されることになった。 保利 岩見守 広満(ほり いわみのかみ ひろみつ) 下伊那藩2万石の藩主。軒春の死後「天竜組」の者たちを重役に抜擢し、特に黒川を側用人として重用した。かつて公儀によって禁止された紙問屋仲間を、名を変えただけで再び設置しようとした黒川らの目論見について、信正から内々に釘を刺されて断念せざるを得なくなった。 神保(じんぼ) 上屋敷の若い医師。宗秀が黒川の手術をした際助手を務め、その腕に驚嘆した。 森 六左衛門(もり ろくざえもん) 大百姓で、藩の金融財政に大きな発言力を持つ財産家。かつて軒春と結んで紙問屋結成を目論んで失敗したが、このたびは黒川と組んで、御用紙会所と名を変えただけの同じ仕組みを作ろうと企てた。 菅沼 千野(すがぬま ちの) 宗秀の元妻。宗秀との間には、この年13歳になった息子清五(せいご)がおり、医師になるため長崎に留学している。 側室土岐の方が産んだ亀姫付き年寄として江戸上屋敷に滞在しているが、間もなく帰国して脇坂の後添えになることが決まっている。宗秀の治療所を訪問し、現在の藩内の争いについて語ったが、宗秀には関与を断られてしまう。 菅沼 平左衛門(すがぬま へいざえもん) 千野の父。典医の匙頭を務めた人物で、宗秀の才能を見込んで養子に迎え、やがて千野と結婚させたが、宗秀の実父が打ち壊しに加わったことで批判を浴び、やむなく離縁した。その後、千野の弟重之(しげゆき)に家督を譲って、町医者として働いている。 脇坂 右京之介(わきさか うきょうのすけ) 城代家老。黒川と対立する派閥の領袖。50歳を過ぎている。千野を後添えに望んだ。 飛田 伝助(とびた でんすけ) 脇坂派に属する。黒川を襲って重傷を負わせた。捕らえられて拷問を受けたが、一切語ることなく斬首された。 飛田 主馬助(とびた しゅめのすけ) 飛田伝助の身内で、勘定方頭だった。御用紙会所の商権を森らに独占させず、すべての紙商人に広げるべきだと主張していたが、昨年の冬に何者かに殺された。 天野屋 良平(あまのや りょうへい) 天領の紙漉き業者らを巻き込んで、森らによる商権独占を公儀に訴え出ようとする動きの中心人物だったが、昨年の冬に何者かに殺された。 忠司 宗秀の実父。紙漉き業者。軒春が進めた紙問屋仲間の施策に不満を募らせる紙漉き業者らと共に、森らの屋敷を打ち壊した。その3年後に捕縛され、公儀によって取り調べを受けるために、打ち壊しの主だった者たちと共に江戸に護送されたが、牢屋敷で病死した。
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