ヴィルフォール家
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/28 17:19 UTC 版)
「モンテ・クリスト伯」の記事における「ヴィルフォール家」の解説
ジェラール・ド・ヴィルフォール (Gérard de Villefort) マルセイユの検事代理。硬直的なまでの王党派かつ権力欲の塊であり、出世の為には他人を犠牲にすることを厭わない。 ダンテスの無実を知りながら、彼の持っていた手紙が自身の失脚に繋がることを恐れ、保身のために手紙を隠滅し、ダンテスを政治犯として重犯罪者が収監される牢獄シャトー・ディフに投獄する。 その後は着実に出世し、法曹界の頂点である検事総長に就く。しかしモンテ・クリスト伯爵にそそのかされた妻エロイーズが家庭内で連続殺人を犯し、それに気付いた夫に断罪された夫人は、エドゥワールと心中してしまう。さらに嬰児殺害(結果的に未遂)という自身の過去の罪をもベネデットに暴露されて全てを失い、モンテ・クリスト伯爵から正体を明かされた後、発狂する。 ルピアンの偽の告発状を受け取り、自分の手柄にするため検証せず上役へ報告した警察官がモデルである。 ノワルティエ (Noirtier) ヴィルフォールの父。反王党のジロンド党員で、ナポレオンから彼に宛てられた手紙がすべての始まりになった。 脳卒中で全身不随になっており、視線と瞬きで意志を伝えるが、理解できるのはヴィルフォール、ヴァランティーヌ、執事のヴァロワ、ダヴリニー医師の4人だけである。しかし気力は衰えておらず、ヴァランティーヌが毒殺犯に狙われていると察して彼女を救うために尽力する。また、ヴァランティーヌとマクシミリアンの仲を祝福しており、ヴァランティーヌとフランツの婚約を破棄させるために、フランツの眼前で自らの過去を暴く。 エロイーズ (Héloïse) ヴィルフォールの後妻。実子のエドゥワールを溺愛し、先妻の子かつ莫大な財産の相続人であるヴァランティーヌを疎んでいる。そのため、サン=メラン侯爵夫妻やノワルティエ老を殺害してヴァランティーヌに財産を相続させ、その上でヴァランティーヌを殺害して遺産の全てをエドゥワールに継がせようと目論む。 ヴァランティーヌ (Valentine) ヴィルフォールと先妻ルネ・ド・サン=メラン (Renée de Saint-Méran) の娘。フランツが婚約者であり、父から強硬に婚姻を進められようとしているが、密かにマクシミリアンと恋愛関係にある。 エドゥワールに比べ母親の家系が上流であり、家長である祖父ノワルティエに可愛がられていることもあって、母方と父方の双方から財産の相続人に指名されている。そのため相次ぐ毒殺事件に際して一番の受益者だと疑いの目を向けられるが、やがて彼女も毒殺されかける。 エドゥワール (Édouard) ヴィルフォールとエロイーズの息子。父は育児を母親任せにし、母は溺愛のあまりやりたい放題にさせているため、我儘で残虐な子供に育っている。
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