ローマ数字の歴史とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > ウィキペディア小見出し辞書 > ローマ数字の歴史の意味・解説 

ローマ数字の歴史

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/10 03:44 UTC 版)

ローマ数字」の記事における「ローマ数字の歴史」の解説

古代ローマ人は元々農耕民族だった。羊の数を数えるのに木の棒刻み目入れた。柵から1匹ずつヤギ出て行くたびに刻み目1つずつ増やしていった。3匹目のヤギ出て行くと「III」と表し、4匹目のヤギ出て行く3本刻み目の横にもう1本刻み目増やして「IIII」とした。5匹目のヤギ出て行くと、4本目刻み目の右にこのときだけ「V」と刻んだ(∧と刻んだ羊飼いもいた)。このときの棒についた刻み目は「IIIIV」となる。6匹目のヤギ出て行くと、刻み目模様は「IIIIVI」、7匹目が出て行くと「IIIIVII」となる。9匹目の次のヤギ出て行くと「IIIIVIIII」の右に「X」という印を刻んだ。棒の模様は「IIIIVIIIIX」となる。31匹のヤギは「IIIIVIIIIXIIIIVIIIIXIIIIVIIIIXI」と表す。このように刻んだのは、夕方ヤギが1匹ずつ戻ってきたときに記号1つ1つヤギ1匹ずつに対応していたほうが便利だったためである。ヤギが戻ると、記号を指で端から1個1個たどっていった。最後ヤギが戻るときに指先最後記号にふれていればヤギ全部無事に戻ったことになる。50匹目のヤギはN、+または⊥で表した100匹目は*で表した。これらの記号ローマのそばのエトルリア人使ったエトルリアのほうが文明栄えていたので、そちらからローマ伝わった可能性もある。1000は○の中に十を入れた記号表した。 よく言われる「X」は「V」を2つ重ねて書いたもの、あるいは「V」は「X」の上半分という説は、誤りとは言い切れないが確たる根拠ないようである。 やがて時代下り、羊以外のものも数えるようになると、31は単に「XXXI」と書ようになった。5はしばらく「V」と「∧」が混在して使われた。50当初N、И、K、Ψ、などと書き、しばらく「⊥」かそれに似た模様使ったが、アルファベットが伝わると混同して「L」となった100は*だけでなくЖ、Hなどと書いたが、*がしだいに離れて「>|<」や「⊃|⊂」になり、よく使う数なので簡略になり、「C」や「⊃」と書きそのまま残ったラテン語の"centum=100"が起源という説もある)。500最初1000を表す「⊂|⊃」から左の⊂を外し、「|⊃」と書いた。やがて2つ記号くっつき、「D」となった。「D」の真ん中横棒がついて「D」や「Ð」とも書いた1000は○に十の記号省略されて「⊂|⊃」となった「∞」と書いた例もある。これが全部くっついたのが「Φ」に似た記号である。これが別の変形をし上だけがくっついて「m」に似た形になり、アルファベットが伝わると自然と「M」と書かれるようにもなった(ラテン語の"mille=1000"からも考慮されている)。そのため、1000今でも2つの表記法が混在している。 5000上の数は1001000字体の差から自然に決まった。ただし、「凶」を上下逆に書いた(X)1000000 (100万)を表したこともある。 古代ローマ共和国時代算盤では、記号の上横棒引いて1000倍を表したものもある。この方法では、10000は「X」の上横棒を1本引いたもので表される100000 (10万) や1000000 (100万) は「C」や「M」の上横棒を1本を引いて表した。たとえば10000は「X」となる。 例:CCX = 210000 (21) 数字の上部分に「 ̄」・左右に「|」をそれぞれつけて10万倍を表すこともあった(上と左右の線をくっつけて表記することも多い)。たとえば10(X)10万倍した数=1000000 (100万) は、「X」と表記する。 例: |MCLII| XXXVII CCXXXII = 115237232 (1億15237232) |MMCCCXXII| LXXI CCXXXVIII = 232271238 (2億32271238) その後、他の文明との接触により変わった表記法現れた。1世紀プリニウス著書博物誌』で83000を「LXXXIII.M」と表記した。83.1000 (831000倍) という書き方である。同じ文書中に、XCII.M (92000)、VM (5000) という表記もある。この乗算則はしばらく使われたようである。1299年作成された『王フィリップ4世財宝帳簿』では、5316を「VmIIIcXVI」と表した漢数字書き方によく似ている。ただしこれらの乗算則は現在は使われない1000超える数の表記法に混乱があるのは一般人巨大な数を扱う機会がなかったためと考えられる

※この「ローマ数字の歴史」の解説は、「ローマ数字」の解説の一部です。
「ローマ数字の歴史」を含む「ローマ数字」の記事については、「ローマ数字」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「ローマ数字の歴史」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ



英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「ローマ数字の歴史」の関連用語

ローマ数字の歴史のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



ローマ数字の歴史のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、Wikipediaのローマ数字 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。

©2024 GRAS Group, Inc.RSS