リラとわたし
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/01 07:18 UTC 版)
2010年、60代の女性のエレナは古い友人リラの息子リーノから電話を受ける。ナポリに住むリラは突然姿を消し、あらゆるものを持ち去るか処分している。エレナはリラの失踪が自発的なものだと考え、彼女について覚えていることを、二人が小学校に通う1950年代のナポリから書き始める。 少女時代の二人は貧困と暴力のはびこるナポリの下町地区で育つ。当時、女は小学校以上の教育を期待されないが、聡明で勤勉なエレナは小学校の女教師の目に留まる。反抗的なリラは自ら読み書きを覚え、やすやすとクラスで最高の成績をおさめる。エレナはリラに怖れと憧れを抱くようになり、リラの書いた物語に強い印象を受ける。エレナは教師の忠告を無視してリラと付き合い、リラについていくために勉学に励む。ある日、リラはエレナの人形を高利貸しのカッラッチ家の地下室に投げ込み、勇気を証明したいエレナも仕返しにリナの人形を投げ込む。人形を取り戻そうとするリナはカッラッチ家に忍び込み、エレナも後を追うが二人とも人形を取り戻すことはできない。その後、ドン・カッラッチが殺されて貧しい家具職人アルフレード・ぺルーゾが犯人として逮捕されるが、リラは地区のマフィアであるソラーラ家が罪を着せたと信じる。 二人は小学校を卒業し、別々の道を歩み始める。リラの父親は中学校に行くことを許さないが、エレナの父親は教師に説得され、嫉妬深い母親の反対を押し切って娘を中学校に行かせる。リラも密かに中学の試験を受けるが、怒った父親によって窓から投げ落とされる。リラはエレナに学校をさぼらせようとするが、エレナは、自分に置きざりにされることがリラには苦痛であることを理解して許す。エレナは中学、次に高校に進み、リラは決して勉強をやめないようエレナを叱咤し、密かに自分も勉強を続ける。 リラは父の靴屋で働く。父の反対にめげず、リラは新しいタイプの靴を作り金持ちになることを夢見る。やがてリラは美しい娘に育って近所の男たちの目を引き、地区のカモッラと呼ばれるマフィアの指導者の息子であるマルチェッロ・ソラーラの目にとまる。家族からマルチェッロと結婚するよう圧力を受けるが、リラはマルチェッロを悪人とみなして避ける。マルチェッロから逃げるため、殺された高利貸しの息子で食料品店主のステファノ・カッラッチと結婚する。ステファノはリラの兄リーノの靴ビジネスを資金援助すると約束し、リラの家族も承諾してリラは16歳で結婚する。エレナは自動車修理工のアントニオ・カップッチョとつきあうが、彼の粗野な振る舞いが原因となって別れる。ステファノは結婚式にソラーラ兄弟を招き、リラと兄が作った大事な靴を兄弟に売ることでリラを裏切る。リラは別れることを考え始める。
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