リラの守護神
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/04/18 15:34 UTC 版)
「ミケーレ・シンドーナ」の記事における「リラの守護神」の解説
「ロッジP2」を通じてバチカン銀行とのつながりを得たシンドーナは、表立ってはイタリアを代表する銀行家の1人としてふるまい、1973年9月にはジュリオ・アンドレオッティ首相から「リラの守護神」とたたえられ、さらに駐伊アメリカ大使から、1973年の「マン・オブ・ザ・イヤー」に選ばれ表彰されている。 しかしその裏では、マルチンクス大司教の庇護の下、ジェッリやカルヴィとともにバチカンとイタリア政界、マフィアをとその資金をつなぐ役割を果たすとともに、プリバータ・フィナンツァリア銀行と、その後自ら買収したウニオーネ銀行とバチカン銀行を経由してマフィア絡みのマネーロンダリングと不正融資を率先して行った。さらにCIAが所有していたイタリアの英字紙「デイリー・アメリカン」を買収したほか、CIAからの資金をリーチオ・ジェッリをはじめとする「ロッジP2」のメンバーがその多くを占めるイタリア国内の反共団体に流すなど、冷戦下でイタリアの左傾化を押しとどめようと画策したCIAへの協力を行った。 なお、このようにCIAとの関係は保っていたものの、ケネディ財務長官が1971年に辞任したために、その後もアメリカ政界への影響力を保ち続けることをたくらみ、ニクソン大統領の再選委員会の財務担当者のモーリス・スタンズに対して100万ドルの資金提供を申し出た。しかし、公表しない秘密資金としての提供を申し出たうえに、当時シンドーナがFBIの監視対象に入っていたためにスタンズはこれを断っている。
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