リメイク版の開発
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「この世の果てで恋を唄う少女YU-NO」の記事における「リメイク版の開発」の解説
本作は、エルフからMAGES.へ版権が委譲され、リメイク版として制作された。版権の許諾ではなく委譲での移植となったのは、原作者が没した作品であるためにエルフでもどう触れればいいのか悩んでいること、PC-98版の発売から約18年間で何十社という会社による移植の話を断ってきたこと、そしてエルフにもう『YU-NO』のことを分かる人が在籍していないことなどが理由に挙げられている。 2014年12月28日、『コミックマーケット87』(東京ビッグサイト)にて「新規プロジェクト」として公開される。翌12月29日には『この世の果てで恋を唄う少女YU-NO』のゲーム化プロジェクトであることが公表され、ティザーサイトも公開された 。2015年7月10日、公式サイトが正式オープンした。 同年9月19日、幕張メッセで開催中の『東京ゲームショウ2015』にて、本作がPS4 / PS Vita用ソフトとして、2016年2月18日に発売されることが発表されたが、後に同年11月17日に延期され、更に完成度を高める期間が必要との結論に入ったために発売日が再び延期、最終的に2017年3月16日に発売された。発表から発売まで時間がかかった理由についてMAGES.の総合プロデューサーの浅田は「リメイク版は7割くらい作ったところでクオリティ的に不安だなと思い,全面的に作り直しました。」と4Gamer.netとのインタビューの中で説明している。浅田は右往左往しながらストーリーを進めることに本作の面白さがあることを認めつつも、現代のプレイヤーは限られた時間の中で遊ぶことが多いと考えた結果、Switch版にヒント機能を導入することを決定した。また、シナリオの文章量が通常のアドベンチャーゲームの4倍もあり、ボイスパートも多いことから、ローカライズする際に多大な費用がかかったのではないかと浅田は4Gamer.netとのインタビューの中で話しており、海外の表現の規制の差や厳しさを感じる中でなんとか発売にこぎ着けたと振り返っている。リメイク版の時代設定はオリジナル版の発売年に合わせているため、グラフィックの描き直しなどに苦労したと浅田は振り返っている。 リメイク版の音楽は高見とヨナオが編曲という形で担当している。高見は、AUTOMATONとのインタビューの中で「梅本の音楽は普遍的なものであるため、リメイク版は現在の技術ではおかしくなるところだけを修正しつつも梅本の遺した原曲を尊重する方向に決めた」と述べている。 高見は「生前、梅本君は『YU-NO』のサウンドトラックを出せずに悔しがっていた」とAUTOMATONとのインタビューの中で話しており、「梅本君は『DESIRE』『XENON』『EVE burst error』などのサウンドトラックの復刻はできたので、最後に『YU-NO』のサントラを出して、昔の集大成にして一区切りつけたいと考えていた」と述べている。梅本の死後、高見は追悼として『YU-NO』のサウンドトラックのリリースを行いたいと考えるようになり、梅本の知人であるゲーム開発会社社長のせんたろへ『YU-NO』の版権についてエルフに聞いてほしいと頼んだところ、エルフから版権の確認が取れないという返答が来たため、この計画は一時頓挫した。その後、梅本のもう一人の知人であるMAGES.の浅田の協力によって『YU-NO』の版権がエルフにあることが判明し、最終的にはMAGES.に版権が委譲された。これにより、2016年11月12日に開かれた発売記念兼イベント「You Know? Ryu Umemoto」において『YU-NO』の楽曲のトリビュートCDの発売が可能になったほか、リメイク版『YU-NO』の初回限定版の特典としてハイレゾサウンドトラックDVD5枚組がつくこととなった。
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