リアリズム、トウェインとジェームズ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/13 14:19 UTC 版)
「アメリカ文学」の記事における「リアリズム、トウェインとジェームズ」の解説
マーク・トウェイン(1835年 - 1910年、本名はサミュエル・ラングホーン・クレメンズ)はアメリカ東海岸とは離れて(ミズーリ州の州境)生まれたアメリカ人作家としては初めての重要人物だった。その土地を舞台にする傑作は自伝『ミシシッピの生活』(Life on the Mississippi)と小説『ハックルベリー・フィンの冒険』(Adventures of Huckleberry Finn)である。トウェインのスタイルはジャーナリズムの影響を受け、方言を取り入れ、直接的で飾り気が無いが高度に感情に訴えるものがあって不敬にもユーモラスである。これがアメリカ人の言語を書く方法を変えた。その登場人物は方言と新しく発明した言葉や地域のアクセントまで使って実在の人物のように話し、明らかにアメリカ人のように聞こえる。その他地域的な違いや方言で興味ある作家としては、ジョージ・W・ケーブル(1844年 - 1925年)、トマス・ネルソン・ペイジ(1853年 - 1922年)、ジョーエル・チャンドラー・ハリス(1848年 - 1908年)、メアリー・ノアイユ・マーフリー(1850年 - 1922年、筆名チャールズ・エグバート・クラドック)、サラ・オーン・ジューエット(1849年 - 1909年)、メアリー・E・ウィルキンス・フリーマン(1852年 - 1930年)、ヘンリー・カイラー・バナー(1855年 - 1896年)およびウィリアム・シドニー・ポーター(1862年 - 1910年、筆名オー・ヘンリー)がいる。 ウィリアム・ディーン・ハウェルズも、『サイラス・ラパムの出世』(The Rise of Silas Lapham)のような小説や「アトランティック・マンスリー」の編集者としての仕事を通じてリアリストの伝統を代表する者である。 ヘンリー・ジェイムズ(1843年 - 1916年)は旧世界と新世界について直接書くことでそのジレンマに直面した。ジェイムズはニューヨーク市で生まれたが成人してからの大半はイングランドで過ごした。その小説の多くはヨーロッパに住んでいるか旅しているアメリカ人を描いている。ジェイムズの小説は、その錯綜し高度に抑えられた文章と感情と心理のあやに対する分析とで、人を怯えさせるものがある。ヨーロッパに来た魅力的なアメリカ人少女を描いた小説『デイジー・ミラー』(Daisy Miller)や謎のような怪談『ねじの回転』(The Turn of the Screw)がまだとっつきやすい作品である。
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