リアリズムのアプローチ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/06/23 22:44 UTC 版)
「レジーム論」の記事における「リアリズムのアプローチ」の解説
ジョセフ・グリエコのようなリアリストは、覇権安定論を使ったパワー重視のレジーム理論を提案している。覇権安定論の対抗理論としてレジーム論は機能するけれども、リアリズムは、レジームがどのように変化するのかを説明するためにレジーム論自体のなかで覇権安定論を利用する。リアリズムは、強力な覇権国の存在がレジームを成功させると論じる。 レジーム論では、リアリズムとリベラリズムは、国際協調の性質、および国際制度がどれほどの役割を果たすのかをめぐって異なる。リベラリズムは、レジームが国家利益の収斂を通じて出現し、国際制度が利益の統合を作り出すことを助けると論じる一方で、リアリズムは、レジームが国際システムにおけるパワーの配分を単に反映しているだけだという。強力な国家が自分たちの安全保障や経済利益に沿うようなレジームを創設するのである。レジームは、国家、とくに大国に対して独立したパワーを持っていない。こうして、レジームは、現実の独立変数(パワー)と観測された結果(協調)の単なる媒介変数に過ぎないのである。スーザン・ストレンジは、第二次大戦後の世界銀行やGATT・IMFなどの国際機関は、アメリカの大戦略の道具に過ぎないと論じている。
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