ラージャ・ヨーガ(心身統一の道)
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「ヴィヴェーカーナンダ」の記事における「ラージャ・ヨーガ(心身統一の道)」の解説
ラージャ・ヨーガは、瞑想により心を制御して合一を目指すものであるとする。心身統一の方法で、精神と肉体両方に働きかけるものであり、人間の精神に関わる他の3つのヨーガとは扱う対象が異なる。書籍『ラージャ・ヨーガ』は、ニューヨークでの講演の記録と「パタンジャリのヨーガ格言集」からなり、全体として主にパタンジャリの『ヨーガ・スートラ』の八部門が詳しく解説されている。『ヨーガ・スートラ』は以下の8つの段階を経て合一に至る道を記している。 禁戒(ヤマ) 勧戒(ニヤマ) 坐法(アーサナ) 調息(プラーナーヤーマ) 制感(プラティヤーハーラ) 凝念(ダーラナー) 静慮(ディヤーナ) 三昧(サマーディ) ヴィヴェーカーナンダは、ラージャ・ヨーガはインド人ならではの精神科学であり、集中の研究であると述べている。『ヨーガ・スートラ』の解釈はそれまでより実践的であり、プラーナ(呼吸)とプラーナーヤーマ(調息)に関してハタ・ヨーガの生理学的要素が加えられ、ヨーガを実践しプラーナを制御することで「ほとんど全能、ほとんど全知」になることが可能であると主張している。彼の『ラージャ・ヨーガ』は、『ヨーガ・スートラ』、ヒンドゥー教の伝承、ブラフモ・サマージ等の近代ヒンドゥー教の思想、当時の西洋科学である物理学、心理学、解剖学等、アメリカで人気のあった自然魔術の系譜のメスメリズム(動物磁気療法)、オカルティズム、代替医療等が混ざったものになっており、当時のアメリカにいた精神治療家、信仰治療(英語版)家、心霊主義の降神術者、ニューソートのクリスチャンサイエンティスト、催眠術者なども無意識にプラーナを制御しているとした。 メソッドの実践や儀礼、身心技法で非聖職者が魂の救済を直接求めるメソジストやクエーカー教などのキリスト教の潮流を背景に、実践的なラージャ・ヨーガは、当時のアメリカで高みに上るための身心技法として人気を博した。
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