ランダーのシステム
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/05 06:15 UTC 版)
マルス2号の降下モジュールは、推進システムとは反対側のバス/オービターに設置された。直径1.2mの球形の着陸カプセルと直径2.9mの円錐形の空力ブレーキシールド、パラシュートと逆推進ロケットから構成されている。 降下モジュール全体は、燃料を含めて1,210kgの質量で、球形の着陸カプセルの質量はそのうち358kgである。姿勢制御はガスマイクロエンジンと加圧窒素容器から構成される自動制御システムで行われた。ピッチングとヨーイングの制御には、円錐の外側に設置された4つの火薬エンジンを用いた。 メインと補助のパラシュート、着陸を開始するためのエンジン、レーダー高度計がランダーの最頂部に設置されている。降下モジュールの衝撃を吸収するためには発泡体が用いられた。着陸カプセルには、着陸後に開く4枚の三角形の弁が付いており、探査機を復元して機器を露出させるはずだった。 ランダーには、360°を撮影できる2台のテレビカメラ、大気の組成を分析する質量分析装置、気温、気圧、風のセンサー、生命の痕跡となる有機物を探索するためのシャベルを含んだ土壌の物理的・化学的性質を測定する装置が搭載されていた。また、ソビエト連邦の国章の旗も積んでいた。 球体の上部から突き出た4本のアンテナは、搭載された無線機でオービターとの通信を行った。装置は、分離前にオービターで充電されたバッテリーで稼働した。温度制御は断熱材とラジエーターによって維持された。火星の環境への汚染を防ぐため、着陸カプセルは打上げ前に殺菌された。
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