ミームとしての成長
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/09 03:32 UTC 版)
初代『シヴィライゼーション』が発売されてから21年後の2012年初頭、TV TropesでTunafishという名前のユーザーが『シヴィライゼーション』にはガンジーを攻撃的にするバグが存在すると主張した。Tunafishが根拠を示すことはなかったものの、11月には同じ情報がWikiaに追加された。シド・マイヤーによれば、その後の2年間でこの話はインターネット中に広がり、誰かがそれを疑うたびにwikiへのリンクが証拠として使われた。 2014年には、Redditのコメント欄にて、再投稿されたウェブコミック『Critical Miss』でなぜガンジーが攻撃的な人物として描かれているのかという議論を引き起こし、大きな注目を集めた。その10日後、ゲームニュースサイト『Kotaku』が「Why Gandhi Is Such An Asshole In Civilization」という記事を投稿し、他のニュースサイトやブログはこの情報を再掲載した。こうしたマスメディアやブロゴスフィアの関心の高さから多くのシリーズファンがこの話を知り、「核ガンジー」はゲームのインターネット・ミームやジョークとして一般的になった。また、マンデラ効果によって、多くの人が『シヴィライゼーション』シリーズの最初のゲームでインドに特に悩まされたことを思い出した。後に「核ガンジー」の情報がKnow Your Memeに追加され、このバグは『シヴィライゼーションII』で最初に現れたと記載された。 2019年6月18日、フィラクシス・ゲームズのマーケティングマネージャーであるケビン・シュルツは中国への出張のため2週間オフラインになるというツイートを投稿し、「もし広く共有され再投稿されている、初代『シヴィライゼーション』でガンジーがバグによって核兵器を愛したという話が全くの嘘だったらどうする?」という問いについて考えることを提案した。これを受けて、元Eurogamerのコラムニストであるクリス・ブラットが調査報道を開始した。 ブラットは2Kの広報担当者に連絡を取り、フィラクシスの代表者とのインタビューを求めたが拒否された。その後、ブラットは元フィラクシスのゲームデザイナーであるブルース・シェリー(英語版)に連絡を取ったところ、彼は『シヴィライゼーション』の開発は30年前だったのでグリッチがあるかどうかは覚えていないと述べた。「ガンジーの問題はなんとなく覚えているが、話すべきなのはシド(マイヤー)だ」。次に、ブラットは『シヴィライゼーションII』のリードゲームデザイナーであるブライアン・レイノルズ(英語版)に連絡を取り、「Civ1のコードを見てから20年以上経っているが、それでもガンジーのバグは完全な作り話だと99.99%確信できる」という回答を得た。ブラットはもう一度2Kとシド・マイヤーに連絡を取ったが、直接的な反論はなかった。マイヤーは正解はわからないと述べたつつも、都市伝説については肯定的に受け止めており、「当時の限られた技術を考えると、オリジナルのCivは多くの点でプレイヤーの想像力を中心に行われたゲームだった」という理由から、「私の考えをあまりにも多く広めることで、そのプレイヤーが想像できることを制限するのは気が進まない」と述べている。ブラットは調査結果をYouTubeに投稿した。 その後、『Ars Technica』のインタビューでシド・マイヤーはガンジーのソフトウェアバグについての話は捏造されたものだと述べた。2020年9月8日、シド・マイヤーの自伝『Sid Meier's Memoir! A Life in Computer Games』が発売され、同著ではこの都市伝説ができるまでに至った背景が記されている。
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