ミスティック族
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/08 05:37 UTC 版)
亀に似た穏やかな顔と四本の腕、長躯に長い尻尾を持つ種族。ミスティック族は長老を始めとして、みな個性的で、その役割を分担して生活していた。長躯にまとう衣服は基本的にはミスティック族の「織り手」が織り上げた布だが、螺旋パターンの意匠や文字としての結び目にそれぞれの長年の知識をたくわえた、データベースでもある。祈りなのか、合図なのか、時として和音の斉唱を始める不思議な種族である。ミスティック族はダーククリスタルの城から遥か離れた谷の洞窟をそれぞれの棲家としているが、そこはスケクシス族の暴力からなぜか見逃されている治外法権の地であった。 長老(ウル・ス) 幼いジェンを廃墟から助け出し、養育したのがミスティック族の長老である。ジェンが「預言」を成就する存在となることを、幼いうちから見抜き、そのための教育を行った。ミスティック族誰もが認める賢者であった。死に際して、彼はまるで存在しなかったかのように、光の粒子に還元していった。長老亡き後、ミスティック族は老いた体に杖をつき、長い住処である谷を捨て、ダーククリスタルの城に帰るための遠征の旅に出ることになった。 癒し手(ウル・イム) 長老亡き後、実質上、次代の長老として、ミスティック族を統べる指導者。ミスティック族が谷を発つ際に、先導の役割を果たした。護符、薬湯、鍼灸術といった技術で、ミスティック族の健康管理を担ってきた人物でもある。 歌い手(ウル・ソル) ミスティック族の和音の詠唱をリードしているのが、「歌い手」である。ハイピッチの詠唱と、ミスティックの谷の石柱すべてを震わせるほどの荘重な低音を操る。 儀式守護者(ウル・ザッハ) 儀式を取り仕切る職務上、他のミスティック族よりも多言ながら、その口調は謎めいている。長老の葬儀を取り仕切り、親代わりの長老を喪ったジェンに旅立ちを促した。長く深い思索が彼の体に螺旋を刻んでいる。 錬金術師(ウル・ティ) 科学者ながらも、自然以上に精緻なものは作れないと悟っていた人物である。特に見せ場と呼べる場面はないが、あるスケクシス族のひとりの死と時を同じくして、突然炎と化して、消滅した。スケクシス族とミスティック族に関する疑問を、確信へと導く重要な役割である。 書き手(ウル・アク) 書き手が記録するものは、ミスティック族の私心なき隠棲の歴史と、儀式のための祈りの言葉である。 織り手(ウル・ウット) ミスティック族の衣服と毛布すべてを製作したのが、織り手である。彼の織る布はほつれるということを知らず、それぞれのミスティック族の知識と運命とが織り込まれていると言われる。ジェンの衣服の製作者でもある。 本草学者(ウル・ノル) 料理人(ウル・アマユ) 食べ物を通して、ミスティック族全員の健康管理を担ってきたのが、本草学者と料理人である。彼らの植物学と料理の知識は、霊肉のバランスを保つことを目的としたものだった。 数霊術師(ウル・ヨッド) 数秘術を専門とするミスティック族。映画冒頭シーンで、数霊術師は砂絵占いを試みて、来るべき「大合致」の時期を占っている。かつてはオウグラの天体観測の補佐をしていた人物でもある。
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