マリアナ海溝
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/04/10 05:16 UTC 版)
「トリエステ (潜水艇)」の記事における「マリアナ海溝」の解説
トリエステ号は1959年の11月5日にサンディエゴを離れ、マリアナ海溝の大深度を調査するネクトン計画のため輸送艦「サンタマリア」でグアムに向かった。 1960年1月23日、オーギュストの息子ジャック・ピカールと海洋学者のドン・ウォルシュ(英語版)海軍中尉を乗せてマリアナ海溝南部の最深域チャレンジャー海淵の海底に到達。地球上で最も深い海底に達した最初の潜水艇となった。計器は11,521メートルを示していたが後に10,916メートルに訂正され、さらに、1995年にかいこうによってチャレンジャー海淵のより精確な深度値はわずかに浅く10,911メートルであることが判明した。潜降にはほぼ5時間を要した。途中で窓の一枚に水圧でクラックが生じ、2名は大きな破壊音は聞いたものの損傷は見つからずそのまま潜降を続けた。通信には水中の音速(大気中の約5倍)で片道7秒かかったという。 海底でピカールとウォルシュは小型のウシノシタ(シタビラメ)やヒラメのような魚類を発見し、あらゆる海洋のうちで最も苛烈な水圧下でも脊椎動物が生息することを明らかにした。海底は珪藻土の軟泥からなることが観察された。 2名は海底に20分間とどまったが、ようやく窓のクラックを発見したために海底を離れた。彼らは3時間15分かけて浮上、無事帰還した。これ以降、長く有人でチャレンジャー海淵に潜った探査船はなかった。1995年に日本の無人探査機かいこうが同海底に達した。現在はかいこうの後継機である大深度小型無人探査機ABISMOが2008年にチャレンジャー海淵にて最大潜航深度10,258mを記録し、大深度下での連続的資料採取に成功している。2009年5月31日にネーレウスが10,902mに到達した。 2012年3月26日、映画監督のジェームズ・キャメロンが、一人乗りの潜水艇「ディープシーチャレンジャー」に搭乗し、トリエステ以来52年ぶりにチャレンジャー海淵最深部に潜行。最深部での試料採取や映像撮影にも成功した。
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