マインドライエック
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/06/22 09:44 UTC 版)
マイン川の行程には、それぞれマインドライエック(マインの三角)、マインフィーアエック(マインの四角)と呼ばれる、目立った特徴がある。マインドライエックとは、シュヴァインフルト、オクゼンフルト、ゲミュンデン・アム・マイン間のマイン川を指す。この区間を地図で見ると、頂点を下に、上に開いた逆三角形を描いているのが分かる。 シュヴァインフルト付近まで東から西に流れてきた川は、南に流れの向きを変える。三角形の一番南のポイントはマルクトブライトとオクゼンフルトの間である。この間、マイン川は数km西に向かい、再び北向きに、これまでと逆行するかのように進路を変える。ゲミュンデン・アム・マインからは再び西向きに流れる。 マインドライエックは、特にワインづくりで有名である。フランケンワインの生産地の多くが、マインドライエックに直接面しているか、あるいはその周辺に位置している。 マインドライエックの起点であるシュヴァインフルトは、かつての帝国自由都市で、後にボールベアリング生産の中心地となった。このため、第二次世界大戦中には激しい空爆を受けた(ダブル・ストライク作戦と呼ばれる)。シュヴァインフルトの最も重要な保護文化財である旧ラートハウス(1572年建造)は、南ドイツのルネサンス建築中、最もすばらしいものの一つである。 シュヴァインフルトの数km下流の左岸にグラーフェンラインフェルト原子力発電所がある。この発電所の、それぞれ143mの高さがある2本の冷却塔は、数kmの範囲のどこからでも目に付くランドマークである。 ここから20kmほど下った蛇行部の頂点にフォルカハがある。この町は、ワインづくりと、町はずれにある「ブドウ畑のマリア巡礼教会」で有名な小都市である。マイン川は、ゆったりと蛇行し、山を取り囲むように流れている。ここにあったフォーゲルブルク城はかつて、河川の航行を取り仕切っていた。蛇行部は途中から船の航行に便利なように運河が設けられショートカットされている。これによってできた運河と本流に挟まれた島を、ワイン島と呼ぶ。 10kmほど下った左岸に、ベネディクト会ミュンスターシュヴァルツァハ修道院の修道院教会がある。それに続いて右岸に現れるのが、市壁を含め中世風の佇まいを残すワイン町デッテルベルクである。歴史的なワイン取引の町キツィンゲン(中世のマイン川の橋、ファルター塔)、小都市マルクトブライト(ルネサンス様式のラートハウス、バロック様式のワイン商人の館)、豪奢なオクゼンフルト(ゴシック様式のラートハウス、一部が遺された1519年製のマイン川の橋)が、マインドライエックの南の頂点部分、すなわちマイン川の行程中最も南に並ぶ。 この後すぐ下流がマインドライエックの変曲点である。ヴィンターハウゼン、ゾンマーハウゼンを過ぎると、ヴュルツブルクである。ヴュルツブルクは、フランケン地方で2番目に大きな都市で、世界遺産に数えられる歴史的な街並み、ロマネスク様式の大聖堂、マリエンベルク城塞、バロック様式のレジデンツなど建築文化史上国際的にも重要な建造物群を有している。衛星都市であるファイツヘーヒハイムには、有名なロココ庭園やヴュルツブルクの司教領主の夏の離宮がある。これらの城館施設は、既述のバルタザール・ノイマンの作品である。 マインドライエックの西側の行程は人口密度の低い地域である。ヴュルツブルクと北西の角までの間には、カールシュタットと、2、3の小都市があるだけである。ゲミュンデン・アム・マインから、マインフィーアエックに入る。
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