マインフィーアエック
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/06/22 09:44 UTC 版)
マインフィーアエック(マインの四角)は、マインドライエックに隣接する。北に開いた四角形の角には、ゲミュンデン・アム・マイン、ヴェルトハイム、ミルテンベルク、アシャッフェンブルクがそれぞれ相当する。マイン川は、シュペッサルト山地の南部を約100kmにわたって取り囲んでいる。 ゲミュンデン・アム・マインで、シュペッサルト山地がマイン川の行く手に立ちはだかり、川は南西に向きを変える。ロール・アム・マインでロール川が合流する辺りから狭く森の豊かな渓谷を南に向かって流れてゆく。ローテンフェルス城の上流側に同名のごく小さな町がある。この町、ローテンフェルスは人口約1,000人の、バイエルン州で最も小さな市である。マインフィーアエックの南東角に、2つの小都市、マルクトハイデンフェルトとヴェルトハイムがある。この両都市の間でマイン川は小さな尾根の周りを回るように蛇行する。この蛇行の開始点と終了点の間はわずか数百mだが、9kmの行程を要する。この蛇行は “Himmelreich”(「神の国」)と呼ばれている。 ヴェルトハイムでタウバー川がマイン川に合流する。この町の中世の街並みと城址は、ロマンティックな小都市に恵まれたマイン渓谷の中でも、最も見事な街の一つである。ヴェルトハイムからマイン川は蛇行しながら西に向かう。この辺りでは、マイン川がバイエルン州とバーデン=ヴュルテンベルク州の州境をなしている。マイン川左岸のヴェルトハイムはバーデンに属していたため、右岸のクロイツヴェルトハイムはバイエルン州だが、主要部分の旧市街はバーデン=ヴュルテンベルク州に属している。 この付近の風景は、マインフィーアエックの東側に似ている。城を戴く2つの小都市シュタットプロツェルテンとフロイデンベルク、この地域では最も古い都市のドルフプロツェルテンの他にはほとんど町はなく、シュペッサルト山地南部の森に覆われた山のために川は蛇行を繰り返しながらのたうつように進んで行く。 マインフィーアエックの南西の角は、ムト川の河口に面したミルテンベルクである。この歴史的小都市は、その石切場で知られている。フランケンフルトやマインツの大規模な中世の教会は、ミルテンベルクのブンテル砂岩で造られている。マイン川の船舶交通を利用してこの石切場から建設現場まで運ばれたのであった。 この町の下流で川は方向を北に転じ、右手にシュペッサルト山地、左手にオーデンヴァルトの両中低山地に挟まれた狭い谷を抜けて行く。クリンゲンベルク・アム・マインやオーベルンブルク・アム・マインといった、よく保存された旧市街を有する小都市がここに点在する。マイン川沿いの人口密度は明らかに増大して行く。ここまで来れば、ライン=マイン産業密集地域は間近である。 最後にアシャッフェンブルクに到着する。この、かつてのマインツ選帝侯の宮廷都市は、すでにフランクフルト・アム・マインを中心とするドイツ第2の大都市圏の一部である。アシャッフェンブルクの象徴的建造物であるルネサンス様式の城館ヨハンニスブルク城がマイン川を睥睨している。
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