ボード部
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/18 14:39 UTC 版)
ボード部は道具を水面に浮かべた状態においての下位部分のことで、セイルボード、フィン、ユニバーサルジョイントによって構成される。中・上級者はボード部のことを通称で「ボード」と呼ぶこともある。 セイルボード 水上における唯一の浮体物であり走行時の移動主体となるもの。サーフボードと似た形状の合成板であるが、より強度の高い構造設計でデッキ部の中央にはジョイントボックス、後方にはフットストラップが付帯される。形成された発砲素材にグラスメッシュ、カーボンメッシュを貼りつけたものをエポキシ、ポリエステル素材で覆っている。ボードはダガーボード付属の有無によりロングボードとショートボードの2種に区分され、ダガーボードが付属されるエントリーボード、ロングレースボード、オールラウンドボードはロングボードにそれ以外はショートボードに属する。ダガーボードを使用すると横流れが少なくなるため、風上方向(アップウィンド)への走行性能が向上するが、水面抵抗が大きくなるため旋回性能と直進スピードは低下する。ボードは原則として自身の体重およびリグ重量を支えるのに必要な浮力を計算し、その浮力を確保できる体積(リットル (L) =船舶での「排水量」にあたる。)のものを選択するが、入門段階ではより浮力が大きく安定性の高いものを、中級者以上では体重とリグ重量の条件に加えて風況・海面状況と乗る目的に応じたものを選択する。ボードは様々な体積と使用用途に対応させるため、幅50〜110cm、長さ220〜390cmのものが製造販売されている。 フィン ボードのボトム部後方に接続するひれ状のもの。水中で水との抵抗となり横滑りを抑制することで直進性を保持し、自体に揚力を発生させてボードの推進力を促すもの。サーフィンと同様の固定する型式で船やヨットのような可動して舵を取る機能はない。G-10(エポキシ樹脂)、ポリエステル素材のものが主流となっている。真っ直ぐな形状のものは直進安定性に湾曲した形状のものは回転運動性が優れる。レースボード、スラロームボード用のものは真っ直ぐで長く、ウェイブボード用のものは湾曲して短い。フリースタイルボード用のものはその中間的な形状となっている。フィンはボードに内蔵されるフィンボックスの数により、シングルフィン(1本)からクアッドフィン(4本)(例:ツインフィン(2本)、トライフィン(3本))まで存在するが、ウェイブボード以外のボードはシングルフィンのみとなっている。ウェイブボードは波のコンディションに合わせたボードの運動性能が求められることから、ボードの特性を好みに応じて選択できるよう多種のものが開発されている。特徴はシングルフィンは直進安定性と高速性が優れ、ツインフィンは回転運動性に優れる。トライフィンやクアッドフィンはその中間的な運動性能である。 ユニバーサルジョイント リグ部とボード部を接続するためのものであるが、ただのつなぎではなく、セイルが受けたパワーをボードに伝える部分である。ボードのデッキ部に取り付けウレタン、ラバー部分が360°曲がることでリグ部を動かしたい方向に自由に操作できる構造になっている。ユニバーサルジョイントとジョイントベースで構成され、接続と取り外しがワンタッチで簡単に行える。以前は金属製でメカニカルな構造であったが、近年ではウレタン、ラバー素材の簡素な構造のものが主流となっている。このユニバーサルジョイントの存在がウィンドサーフィン独自のもので、ヨットと区別される所以となっている。:ユニバーサルジョイント(自在接手)には、ウレタン・テンドン(tendon、腱)、ラバー・テンドン等がある。テンドンの破断に備えて、安全のためのシートが付いているものの、常に点検し、使用期限に留意したい。ジョイントとマスト・エクステンションの結合の仕方には、ピンロック式とユーロピン式の二種がある。
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