ボタンの種類
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/13 20:12 UTC 版)
ボタンには機能に応じて次のような種類がある。 プッシュボタン 最も一般的なボタンであり、一回のクリックごとに定められた何らかのアクションを起動する。 ラジオボタン 複数の選択肢の中で択一を行なうものをラジオボタンと呼ぶ。語源は古いラジオの局番選択と動作が似ているためである。 トグルボタン 押すたびに状態が遷移するボタン。 このほか、複数のボタンからなるコントロール(スピンボタン)や、長く押し続けるとメニューを表示するボタンなどがある。 なお、ラジオボタンと類似するチェックボックスや、ウインドウのメニューは通常ボタンとは呼ばれない。ただし、チェックボックスとラジオボタンとトグルボタンはいずれもクリックあるいはタップすると状態が変わるなど、動作的な共通点が多く、実装上はあまり違いがないことも多い。 Microsoft WindowsのWin32コモンコントロールでは、スタイル属性にBS_PUSHLIKEフラグを設定することで、ラジオボタンやチェックボックスの外観をプッシュボタンのようにすることもできる。Windows Presentation Foundation (WPF) やWindows UI Library (WinUI) では、CheckBoxやRadioButtonの基底クラスとして、ToggleButtonが用意されている。Visual Basic for Applications (VBA) のユーザーフォームにはToggleButtonコントロールがある。通常のプッシュボタンは、押している間のみ外観が変化し、離すと元の状態に戻るが、トグルボタンは押し込まれたままになる。 Androidの標準ウィジェットでは、CheckBox, RadioButton, Switch, ToggleButtonのスーパークラスとしてCompoundButtonが用意されている。 ボタン上に、押下によって動的に変化するラベル(キャプション)やアイコンを配置して何らかの状態を表示することもできる。例えばメディアプレーヤー系のアプリケーションで、再生/一時停止ボタンの切り替えによく使われている。しかしこの場合、ボタンのラベルやアイコンが現在の状態を表しているのか、それとも逆にボタンを押すことによってその状態になることを示しているのかは明確な取り決めが存在せず、どちらの意味であるかは個別のアプリケーションソフトウェアまたはOSなどによって異なる可能性があり、非常に紛らわしい。マイクロソフト社はWindowsユーザーエクスペリエンスガイドラインにて、コマンドボタンは状態の設定に使うのではなく、操作の開始のみに使うことを推奨している。状態ごとにトグルボタンを個別に用意して並べるケースであっても、カラースキームを反転するだけではどちらがアクティブ状態であるかが分からないので、文字の太さや彩度・明度を変えるなどの配慮が必要となる。 BluetoothやWi-Fi、機内モードなどの有効/無効 (ON/OFF) を変更するUIの場合、無効 (OFF) の場合はグレー、有効 (ON) の場合は色付きで表示することで、ON/OFFを表現するトグルボタンを設けるケースもある。ただし、色で状態を表す場合はユーザーの色覚多様性に配慮して、彩度や色相だけではなく明度も併せて変更するなどの配慮が必要となる。ON/OFF設定のUIでは、チェックボックスやトグルボタンの代わりに、状態を表す円形や矩形が左右に移動するトグルスイッチが利用されるケースもある。なお、トグルスイッチはあくまでON/OFFの設定に使うべきであり、それ以外の二者択一の設定に使うべきではない。トグルスイッチも適切にデザインしないと、トグルボタン同様に混乱を招いてユーザビリティを損なってしまう。
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