プロパガンダ戦略
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/06 16:38 UTC 版)
ISILの構成員はTwitterやYouTubeにアカウントを開設し、画像や動画を投稿するなどしてプロパガンダ活動を展開している。TwitterやYouTubeなどから相次いでアカウント停止処分を受けたため、2014年8月にはインターネット上での活動を分散型SNSのDiasporaへ移行する動きを見せたという報道もあるが、2015年1月の「ISILによる日本人拘束事件」に際しても犯行声明動画がYouTubeに投稿され、その動画を宣伝するためにTwitterへの投稿が行われているなど、SNSを利用したプロパガンダ活動は続いている。これに対し、TwitterやYouTubeなどはISIL関連アカウントを凍結する措置を継続しており、Twitterでは1万8000件以上のアカウントが凍結されたという。このように、ISILは、インターネットを使った巧みな宣伝術を持っているため、これが欧米からも若者が加わる要因にもなっている。 また、ISILの広報部門として「アルハヤト・メディアセンター」が存在する。拘束した外国人を殺害する動画にも、この「アルハヤト・メディアセンター」のロゴが付されている。この他、ISIL支配地域への移住を促す内容のものなど、多数の動画を公開しており、それらはスローモーションや効果音を駆使していることで知られている。プロパガンダ動画だけでなく、機関誌も制作している。 ISILの英語版ネット機関誌『ダービク』には2014年7月、創刊時に「アラーの戦士は村々を開放するだけではない。住民のニーズも無視しない。預言者は代理人を指名し、残された住民の面倒を見るよう命じた。たとえ苛烈な戦時にあってもムスリムたちを放置はしない。そのニーズには応える」と謳っている。また地域のインフラの整備を行っているとし、電気の復旧、農業地域での灌漑設備の建設・整備、高速道路、一般道路の補修などを手がけ、橋の修復工事の写真を載せるなどしている。同時に、小児がん対策や老人ホームの拡充など福祉、厚生、医療の充実を謳う記事や写真と、捕虜への虐待シーン、処刑地までの死の行進の写真などを同時に載せるなどしている。
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