プラットホーム上の事故と対策
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/14 09:34 UTC 版)
「鉄道人身障害事故」の記事における「プラットホーム上の事故と対策」の解説
2001年1月26日に山手線新大久保駅で発生した新大久保駅乗客転落事故では、泥酔した利用客が転落したのを目撃した二人の男性が即座に救出作業にあたったが3人とも列車に轢かれて死亡したことが大々的に報道され、その際プラットホームから転落した場合に身を守る逃げ場が無かったり、目撃しても鉄道職員に即座に通報できない仕組みであったことから、プラットホーム上の安全対策の不備が再認識され、安全対策を求める社会的関心を呼んだ。このため、国土交通省や鉄道事業者が協力して、プラットホームを削り退避空間を設け、鉄道の運行を止める非常停止ボタンが整備された。 国土交通省は、泥酔状態の客の転落などが増えてきているため、2010年 - 2011年の年末年始に首都圏の鉄道事業者とともに「プラットホーム事故ゼロ運動」を実施した。- 首都圏事故対策会議 他人に突き落とされ転落する事故も発生している。2005年9月6日には西武新宿線入曽駅で列車を待っていた70代の男性が40代の女に突き落とされ、2008年3月25日にJR西日本岡山駅で同様に列車を待っていた30代男性を19歳少年が線路に突き落とした岡山駅突き落とし事件、それぞれ被害者本人は意図しないまま転落させられ死亡している。 2011年1月16日には、ブラインドテニスを考案し普及に貢献した人物が山手線目白駅で転落して死亡した(目白駅#ブラインドテニス考案者の転落死亡事故)。社会に影響を与えた人であったためテレビや新聞などで報道され、視覚障害者にとってプラットホームは危険であることが大々的に報道され、社会的に認知された。これを受けて、同月24日、視覚障害者団体関係者がJR東日本の本社を訪れて、全国35の団体の連名で要望書を提出し、電車とホームの間を仕切る「ホームドア」の設置や、駅員をホームに必ず配置して安全確認を徹底するなど、早急な対策を取るよう求めた。この際、「全盲者3人に2人は(転落を)経験」しているという調査データを示し、関係者の1人は視覚障害者にとってプラットホームは欄干の無い橋であると表現している。JR東日本は、視覚障害者用の誘導ブロックを新型に取り換えることを発表した。 かつての新幹線車両では、ドアが気密対策のため圧着される構造となっていたが、新幹線初の旅客死亡事故となった三島駅乗客転落事故を契機に、発車後一定速度までは圧着しないよう改良がなされた。
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