ブラックバス問題に関連する議論
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/11 06:26 UTC 版)
「ブラックバス」の記事における「ブラックバス問題に関連する議論」の解説
ブラックバス問題に関連する議論として、過去にWikipediaに投稿されたものを中心にまとめる。 「環境省が委託し纏めた『財団法人自然環境研究センター:ブラックバス・ブルーギルが在来生物群集及び生態系に与える影響と対策』という書籍内で、現在科学的なデータは無いとしている。」という意見がある。(上記意見に対する反論・指摘等)環境省は『ご指摘の報告書では、「生物群集と非生物的環境を合わせたものとして定義した生態系への影響については「知見はほとんどなかった」』とし、『本法において生態系への影響は生物群集への影響を意味しています。』としており、生物群集への影響はあるとしている。パブリックコメントでは、ブラックバス擁護派の一部に、この記述を「生態系への影響はない」と解釈する誤解があった。 『財団法人自然環境研究センター:ブラックバス・ブルーギルが在来生物群集及び生態系に与える影響と対策』に上記記述が掲載された経緯については第3回 特定外来生物等分類群グループ会合(魚類)オオクチバス小グループ会合 議事録に垣間見ることができる。生物・非生物を含む環境としての「生態系」への影響を示す知見が「無かった」ことについては小グループに参加している委員の間では一致している。これは、『ブラックバス・ブルーギルが在来生物群集及び生態系に与える影響と対策』に「無かった」と記されているのに瀬能委員が「有った」という主張を続けたため、水口委員が『ブラックバス・ブルーギルが在来生物群集及び生態系に与える影響と対策』を否定するのか?と強く追求したために、議場で水口委員の論敵になっている瀬能委員と多紀座長が「生態系」への「影響」に関しては「無かった」と認めたものである。しかし、その後瀬能委員は「生態系」という言葉にかわって「生物群集」「実際の在来生物」という言葉を使い、「これに対しての議論は意味がないと思います。実際の在来生物に影響を与えているということで十分」と、それ以上の議論を一方的に拒絶、座長裁定で当件についての議論そのものも打ち切られた。ブラックバスによるその「生物群集への被害」があるのかないのかについてはどちらにしても論拠が挙げられておらず、その場では結論が出ていない。上に記述されている「生物群集への影響はあるとしている」は瀬能委員の私見である。 「生態系」、「生物群集」という学術用語に対する認識の違いから生まれた齟齬と思われる。上記の『ブラックバス・ブルーギルが在来生物群集及び生態系に与える影響と対策』(平成15年度の環境省による調査報告書を成書としたもの)においても、小水域において深刻なバスの食害が確認された例が多数例示されている。 ブラックバスが生態系へ影響を及ぼしていることに対し、バス釣り愛好家からは「魚食性は鯉、ブルーギルなど他の魚種のほうが強い場合もあり、バスだけが原因ではない」「人間による生活廃水や、水辺のコンクリート化による護岸工事および、それに伴う水棲植物の駆逐がより直接的な原因である」「在来種減少の原因は何処が一番影響があるのかをはっきりさせる事が重要で、個別の対応はその後である」「バスを殺さなくても、バスが食べている魚を養殖して 食べられている魚を増やせばバスを殺す必要がなくなる」「日本に定着してから既に80年を経過し在来種に近い存在である」などの反論がある。(反論・指摘等)オオクチバスは専門家会合の検討において、生態系に被害を及ぼすものとして評価されている。オオクチバス以外の要因が存在するか否かにより、その結論が変わるものではないと考えられる。 (反論・指摘等)少なくとも在来種の減少の原因の一つとしてブラックバスの問題があることを完全に否定しうるような学術論文は提出されていない。 (反論・指摘等)在来種減少には、ブラックバス以外にも要因があるのは事実だが、ブラックバスによる在来魚を含む生物層への影響があることも明白な事実であり、ブラックバス対策は必要である。
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