ブドウの品種概要
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/12/27 07:10 UTC 版)
「オーストリアワイン」の記事における「ブドウの品種概要」の解説
品種作付面積グリューナー・ヴェルトリーナー 36 .0% その他 (<2%) 11 .1% ツヴァイゲルト 9 .0% ヴェルシュリースリング 8 .9% 他の赤ブドウ (<2%) 8 .9% ミュラー・トゥルガウ 6 .8% ピノ・ブラン + シャルドネ 6 .1% ブラウフレンキッシュ 5 .5% ブラウアー・ポルトゥギーザー 4 .9% リースリング 3 .4% ノイブルガー 2 .3% 表の通り、グリューナー・ヴェルトリーナー(en:Grüner Veltliner)種がオーストリアで多く用いられている種である。この種からは辛口の白ワインが作られ、Heurigerのような短期熟成ワインから、シュペートレーゼ(en:Spätleses)のような長期熟成に適したものまである。古来からのヴェルシュリースリング種(en:Welschriesling)は、ノイジードル湖周辺の貴腐ワインの原料となる。この種はミュラー・トゥルガウ種同様、辛口の短期熟成ワインにも用いられる。 ノイブルガー種(en:Neuburger)は1850年代にドナウ河の漂流貨物から発見されたと伝えられてきたが、現在ではシルヴァーナ種と古来のローター・ヴェルトリーナー種の掛け合わせで作られたものと判明している。フリュアーローター・ヴェルトリーナー種(en:Frühroter Veltliner)はマルヴァジアという別名でも呼ばれているが、東地中海のMalvasia系の種との関連が推測されている。ムスカット・オットネル種(en:Muscat Ottonel)はブーヴィエ種と同様、ノイジードル湖周辺のデザートワインの原料として用いられているが、これはmuscat familyの近縁種であり、トカイワインに用いられているオレムス種の祖先に当たる。 クロスターノイブルクで、ヴェルシュリースリング種とオランジェトラウベ種から掛け合わされたゴルトブルガー種(en:Goldburger)には高い期待が寄せられていたが、一過性のブームで終わってしまった。ツィアファンドラー 種とロートギプフラー種はテルメンレギオン地方の土着のブドウであるが、これらをブレンドしシュペットロート・ロートギプフラー(en:Spätrot-Rotgipfler)ワインが製造されている。オーストリアではピノ・グリ種はルーレンダーや、グラウアー・ブルグンダーとも呼ばれていることは特筆に値する。同様に、ピノ・ブラン種はヴァイスブルグンダーと呼称され、ソーヴィニヨン・ブラン種はムスカット・シルヴァネールとしても知られている。リースリング種はドイツにおいてほど用いられていないにせよ、オーストリアの辛口白ワインの重要な一角を占めている。 1920年代から、クロスターノイブルク(ウィーン市のカーレンベルク山裏手に広がる広大なブドウ畑と大修道院で有名)地区でツヴァイゲルト(Blaufränkisch × St. Laurent cross)と、ブラウブルガー種(Blaufränkisch × BlauerPortugieser)がよく醸造されていて今ではオーストリアの赤ワインの大勢を占めている。前者は熟成を経て、個性的な味のワインに仕上げられ、後者は育てやすく、さまざまなワインにブレンドされている。どちらの種も、短期熟成で軽やかな味を楽しむことにも用いられる。 ブラウフレンキッシュ種とブラウアー・ポルトギーザー種はこの地域の伝統的な赤ブドウであり、ハンガリーのエグリ・ピカヴェール(雄牛の血の意)ワインの一部にも使われることがある。この他に、フルーティーな味わいのブラウアー・ポルトギーザー種や、19世紀半ばにフランスから持ち込まれ、ピノ・ノワールの子孫と考えられ育てるのが難しい、深い熟成味を誇るサンクト・ラウレント(en:Saint Laurent)種などがある。
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