長期熟成
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/07 23:31 UTC 版)
「カベルネ・ソーヴィニヨン」の記事における「長期熟成」の解説
19世紀から20世紀にかけて、カベルネ・ソーヴィニヨンの名声は、瓶内熟成が可能であるところによる部分が大きかった。熟成により、強いタンニンが柔らかくなるうえ、熟成により若いうちには無かった香りが加わって複雑性が増す。歴史的に、この熟成を前提とした特性こそがボルドーの銘酒を特徴づける要素であり、良いヴィンテージであれば100年にもわたって熟成が可能である。世界中でワインのスタイルが模索され、ボルドー以外でも数十年の熟成に耐えるワインが生まれている。長期熟成が可能なものの中にも、醸造から数年で飲めるようなワインもある。ボルドーでは、タンニンが柔らかくなるまで10年程度の熟成を要し、そこからさらに10年くらいは飲み頃を保つワインが多い。もちろん、生産者やヴィンテージによっては、さらに長期にわたって楽しめるワインもある。スペインやイタリアのカベルネ・ソーヴィニヨンは、ものによってはボルドーと同程度の熟成が必要になることもあるが、多くはもっと早くに飲み頃を迎える。 ニューワールドのカベルネ・ソーヴィニヨンは、一般的にはボルドーよりも早い段階で飲むことができるが、カリフォルニアのカルトワインのように高級なワインのなかには、熟成を必要とし、20~30年の長期熟成に耐えるものもある。カリフォルニアの場合、ほとんどのカベルネ・ソーヴィニヨンは2~3年の熟成で十分飲み頃に達するが、さらに熟成させることで品質が高まるワインもある。オーストラリアでも同様で、10年以上の熟成を必要とする高級ワインもあるが、大部分は2~5年の熟成で飲み頃を迎える。ニュージーランドのカベルネ・ソーヴィニヨンも多くは若いうちから飲むことができ、熟成させても特有のピーマンの香りが残ることが多い。南アフリカの場合、若いうちは果実味がはっきりとしているが、高品質なカベルネ・ソーヴィニヨンでは熟成させても果実味が感じられる。南アフリカのカベルネ・ソーヴィニヨンは比較的ヨーロッパに近い特性があり、熟成による複雑性が出てくるまでに6~8年を要することが多い。
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