ブドウの白化症状
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/05/21 23:56 UTC 版)
他の植物種同様、ブドウ属も白化症状を呈する。石灰岩が多い土壌など、可給態の鉄が不足した条件で発症する。19世紀中期、ブドウネアブラムシ(Phylloxera)によりヨーロッパブドウ(Vitis vinifera)で白化症状が大発生し、当時のブドウ栽培が大打撃を受けた(The Great French Wine Blight)。この虫害対策として、ブドウネアブラムシ抵抗性のVitis属アメリカ原産種(Vitis riparia、Vitis rupestrisおよびVitis berlandieri)の台木にヨーロッパブドウは接ぎ木された。しかし、これら接ぎ木はフランスのブドウ農場、特に最高級ワインブドウの生産地の石灰質土壌によく適応しなかった。このため、これら土壌で栽培された接ぎ木は鉄欠乏となり、chlorose calcaireと呼ばれる白化症状を呈した。この問題は、アメリカの石灰耐性種を台木にすることで解決した。だが、この台木は他の様々な点で最適でないため、ワイン農家は石灰耐性と他の特性とを比較検討したうえで台木を選択している。最も一般的な石灰・ブドウネアブラムシ耐性の台木は、V. vinifera cultivar ChasselasとV. berlandieriの混種41Bである。
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