フランスの戦後美術とは? わかりやすく解説

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フランスの戦後美術

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/26 04:54 UTC 版)

アンフォルメル」の記事における「フランスの戦後美術」の解説

第二次世界大戦破壊殺戮による傷跡癒えない時期1945年前後パリのドルーアン・ギャラリーで、ジャン・デュビュッフェジャン・フォートリエヴォルスといった画家たちが、絵具キャンバス不安定に激しく盛り上げてほとんど形を失った人体像などを描いていた。人間自体対す否定含んだこうした激しさのある絵画表現主義一種であり、第一次世界大戦後復員兵らによるドイツ表現主義とも共通するものがあるが、デュビュッフェらは素材感やマチエール(絵の表面肌合い)を重視し形態失われるほどの抽象化進めた点で異なっていた。デュビュッフェまた、障害者霊視者らの芸術(彼はこれらをアール・ブリュット-生の芸術名づけた)や田舎民衆芸術アフリカなどの原始主義英語版)に深い共感示していた。 同時期、ジョルジュ・マチュー(英語版)は1947年開いた展覧会で、やはり分厚く塗った絵具を削るように、無意識即興的な筆遣い書道のように線を描く独自の抽象画注目集め戦前クールな幾何学的抽象英語版)に対し叙情的抽象フランス語版)という呼ばれる動向作りつつあった。 デュビュッフェとともにアール・ブリュット展覧会企画した評論家ミシェル・タピエは、ほかにもヨーロッパアメリカで表現主義的な激し抽象絵画同時多発していることを感じ1951年にこれらの作家加えてアメリカからアクション・ペインティング画家ジャクソン・ポロックウィレム・デ・クーニング招き展覧会企画した。ここで彼は「非定型芸術」という意味のラール・アンフォルメルという用語を作りこれらの抽象的表現主義的な動向理論付けた。これは幾何学的抽象とは異なり分厚いマチエール不安定さや、画家の筆や体の動き重点を置く絵画であったまた、戦争という不条理通過した人間が、絵画の制作絵具不安定に重ねたり削ったりすることを通して自己の存在身体感覚実存探ろうしたものであった彼のほかにも評論家のシャルル・エスティエンヌ(フランス語版)は1954年「染み」意味するタシスムTachisme)という用語を作って新し抽象絵画とりわけジョルジュ・マチューらのものを理論付けている。

※この「フランスの戦後美術」の解説は、「アンフォルメル」の解説の一部です。
「フランスの戦後美術」を含む「アンフォルメル」の記事については、「アンフォルメル」の概要を参照ください。

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