ピンク・レディー事件とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > ウィキペディア小見出し辞書 > ピンク・レディー事件の意味・解説 

ピンク・レディー事件

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/04 04:47 UTC 版)

パブリシティ権」の記事における「ピンク・レディー事件」の解説

ピンク・レディー事件は、ピンク・レディーが、光文社女性自身2007年2月27日号に掲載された「ピンク・レディーdeダイエット」と題する記事において自身写真無断使用されたことに対しパブリシティ権侵害されたとして損害賠償求めた事案である。 最高裁判所は、平成24年2012年2月2日判決の中で、以下のようにパブリシティ権意義および侵害判断基準示したパブリシティ権人格権由来するもの認めた。 以下の場合すなわち「専ら肖像等の有する顧客吸引力利用目的とするといえる場合」にはパブリシティ権侵害生じ不法行為法違法となるとした。肖像等それ自体独立して鑑賞対象となる商品等として使用する場合 商品等の差別化を図る目的肖像等を商品等に付する場合 肖像等を商品等の広告として使用する場合判旨は、顧客吸引力有する者の肖像等の無断使用であっても肖像等に顧客吸引力有する者は、社会耳目を集めるなどして、その肖像等を時事報道論説創作物等に使用されることもあるのであって正当な表現行為等として受忍されるべき場合もある旨判示している。すなわち、表現の自由についても一定の配慮示した判示といえる上記基準具体的な事案適用した帰結として、ピンク・レディパブリシティ権侵害に基づく損害賠償請求棄却された。 肖像等は,商品の販売等を促進する顧客吸引力有する場合があり,このような顧客吸引力排他的に利用する権利(以下「パブリシティ権」という。)は,肖像等それ自体商業的価値に基づくものであるから,上記人格権由来する権利一内容を構成するものということができる。他方肖像等に顧客吸引力有する者は,社会耳目を集めるなどして,その肖像等を時事報道論説創作物等に使用されることもあるのであって,その使用正当な表現行為等として受忍すべき場合もあるというべきである。そうすると肖像等を無断使用する行為は,①肖像等それ自体独立して鑑賞対象となる商品等として使用し,②商品等の差別化を図る目的肖像等を商品等に付し,③肖像等を商品等の広告として使用するなど,専ら肖像等の有する顧客吸引力利用目的とするといえる場合に,パブリシティ権侵害するものとして,不法行為法違法となると解するのが相当である。 — ピンク・レディー事件最高裁判決 判決理由 補足意見 最高裁判所裁判官金築誠志は、ピンク・レディー事件判決補足意見として、パブリシティ権問題になることが多い芸能人スポーツ選手対す娯楽的な関心について以下のように述べた。 すなわち、ピンク・レディー事件最高裁判決は「肖像等それ自体独立して干渉対象となる商品等として使用する場合に関する事例判断であり、他の類型事案においてパブリシティ権保護されるかは慎重に検討される必要があることが示されている。 パブリシティ権侵害となる場合どのような基準認めるかについては,これまでの下級審裁判例等を通じいくつかの見解示されているが,パブリシティ権が人の肖像等の持つ顧客吸引力排他的な利用権である以上,顧客吸引力無断利用侵害中核的要素考えるべきであろう。もっとも,顧客吸引力有する著名人は,パブリシティ権問題になることが多い芸能人スポーツ選手対す娯楽的な関心をも含め様々な意味において社会正当な関心対象なり得る存在であってその人物像,活動状況等の紹介報道論評等を不当に制約するようなことがあってはならない。そして,ほとんどの報道出版放送等は商業活動として行われており,そうした活動一環として著名人肖像等を掲載等した場合には,それが顧客吸引効果を持つことは十分あり得る。したがって肖像等の商業的利用一般パブリシティ権侵害とすることは適当でなく,侵害構成する範囲は,できるだけ明確に限定されなければならない考える。また,我が国にはパブリシティ権について規定した法令存在せず人格権由来する権利として認め得るものであること,パブリシティ権侵害による損害経済的なものであり,氏名肖像等を使用する行為名誉毀損プライバシー侵害構成する至れ別個の救済がなされ得ることも,侵害構成する範囲限定的に解すべき理由としてよいであろう。 — ピンク・レディー事件最高裁判決 金築誠志裁判官補足意見

※この「ピンク・レディー事件」の解説は、「パブリシティ権」の解説の一部です。
「ピンク・レディー事件」を含む「パブリシティ権」の記事については、「パブリシティ権」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「ピンク・レディー事件」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ



英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「ピンク・レディー事件」の関連用語

ピンク・レディー事件のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



ピンク・レディー事件のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、Wikipediaのパブリシティ権 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS