バスターミナル時代(2015-)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/02/13 10:00 UTC 版)
「草津町立温泉図書館」の記事における「バスターミナル時代(2015-)」の解説
2015年(平成27年)頃の草津町立図書館は本が入りきらない状態になっており、図書館では貸出冊数を無制限化し、1つの書棚に前後2列に本を並べる、書架の天板にも本を並べる、除籍・除架を進める、町内各地の倉庫に本を収納するなど対策を取っていた。また閲覧スペースの狭さも問題化しており、学習・読書に使えるのは15席しかなかったため、座席が足りない時には高齢者が子供用の椅子で新聞を読む姿も見られるようになっていた。こうした状況に利用者からは「本が探しにくい」、「読書スペースが狭い」などの苦言があった一方で、「古本屋のようだ」、「本に囲まれていて落ち着く」といった好意的な意見もあった。 一方、図書館のある役場に隣接する草津温泉バスターミナルでは、3階にある草津町温泉資料館やバスターミナル周辺の商店街の活性化が地域の課題となっていた。温泉資料館は約500点の資料を保有し、草津の歴史や温泉に関する展示を行っていたが、展示内容が固定化していたことと、有料であったことから来館者数は減少の一途であった。また住民や観光客の間からは、バスの待ち時間に立ち寄れる場所を求める声が上がっていた。そこで図書館を温泉資料館へ移転することが2015年(平成27年)初頭に決定、同年7月に温泉資料館を閉鎖して、資料の搬出と新図書館計画が同時並行で進められた。館内の施設配置は唯一の正規職員であった中沢孝之に一任され、愛知工業大学教授の中井孝幸の助力を得た。約4千万円をかけたバスターミナル3階の改修工事が10月に完了したため、同月中旬から書架や図書を新図書館へ移す作業が始まった。移転作業には外部業者を入れなかったため、図書館職員や教育長をはじめとする役場の職員、読み聞かせを行っているボランティアらによって図書を運び入れた。移転前の図書館は1階であったため、バスターミナルの3階へ本を搬入するのは大変であったという。 移転作業を終え、2015年(平成27年)11月3日に、名称を「草津町立温泉図書館」に改め、図書館は再開した。図書館の入り口にはのれんがかけられ、館内には温泉資料館から引き継いだ資料を展示するコーナー(約70 m2)も設けられた。座席は44席になり、館内にはゆとりが増え、観光客の来館も増加した。他方で図書館が3階になったため高齢者が利用する際に不便となり、「温泉図書館」に改名したことから温泉に関する資料しかないと誤解する人が現れるなどの課題も生じた。 2018年(平成30年)1月、草津白根山が噴火し、草津温泉は観光客が減少するなど大きな影響を受けた。そこで温泉図書館と交流のある館山市図書館が同年3月に「草津温泉応援コーナー」を設置し、火山や温泉に関する本など約80点の展示を行って草津町を応援した。この企画は展示資料の半数である約40点が3月上旬までに貸し出されるなど館山市民らの大きな関心を惹き寄せた。温泉図書館は館山市図書館に草津町の観光パンフレットや歴史資料を提供することで企画に協力した。
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