バキュームフォームキット(真空成形キット)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/03 19:32 UTC 版)
「プラモデル」の記事における「バキュームフォームキット(真空成形キット)」の解説
熱でやわらかくしたシート状のプラスチックを、型に押し付けて成形したキット。通称「モナカ」。単純に押し付ける手法をヒートプレスと呼び、プラスチックシートと型の間の空気を吸い出して密着させる手法をバキュームフォームと呼ぶ。(例:卵の透明プラスチックケース)型が1枚で済むので少ない設備投資で成形できるが、大量生産にはあまり向かない。雄型を使う場合を雄型成形(ドレープフォーミング)、雌型を使う場合を雌型成形(ストレートフォーミング)という。雌型を使用する場合には表面の細部のモールドの再現が可能である。比較的、流線型の成形に向くこともあり、マイナーな航空機がこのバキュームキットで販売される傾向にあるほか、RCカーのポリカーボネート製ボディはほぼこの製法を用いる。成型品はかなり肉厚が薄くなるため補強が必要であるなど製作難易度は高い。また細部など真空成形の困難な部品はインジェクションやレジン、メタル、エッチング等のパーツが組み合わされる場合が多い。バキュームフォームキットはガレージキットとして扱われることが多いが、インジェクションキットの中に簡易ジオラマベースや帆船の帆、簡易インジェクションキットのキャノピーパーツなどの形で真空成形パーツが含まれる場合もある。
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バキュームフォームキット
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/19 23:20 UTC 版)
「ガレージキット」の記事における「バキュームフォームキット」の解説
「バキュームフォーム(真空成形)」で生産されるキット。底面に空気抜きの穴を設けた台座の上に原型を置き、熱したプラスチック板を被せて下方から吸引し、大気圧で原型に押し付けて成形する。細かい凹凸やシャープなエッジの再現は難しく、流線型のような滑らかな曲面の表現に向いている。雄型を使う場合を雄型成形(ドレープフォーミング)、雌型を使う場合を雌型成形(ストレートフォーミング)という。雄型、雌型のどちらでも可能であるが、雄型とした場合は板の厚さ分成形品が原型より大きくなり、成形品の表面に詳細なモールドを入れることも出来ない。雌型の場合には型に吸引用の孔をあける必要がある。雄型の場合にも細部の再現には減圧用の孔が必要になる。製品はもなかのように中空の貼り合わせになるため軽く、比較的大型のキットを製造することができるが、強度が低いため補強を行う必要がある。組み立て時には切り代を残して切り抜き、薄いプラ板を挟んで接着してからやすりで接合箇所を整形する。吸引は家庭用の掃除機でも可能であり、家庭用の小型バキュームフォーマーも市販されている。熱したプラスチック板を押し付けて成形するため原型は木で作られることが多く、雌型成形の場合は耐熱性の樹脂に反転して使用する。逆テーパー(オーバーハング)となる成形はできず、原型は底面に向けて面積が大きくなるように分割される。生産に手間がかかり細密な再現は難しいが、原型の破損は少なくある程度の量産が可能。 欧米では1960年代からプラモデルと同じポリスチレンの板を真空成形した航空機のキットが作られている。近年の製品は繊細な表面モールドが可能な雌型成形が主流であり、組み立ての精度も高いものが多い。塗装や接着も通常のプラモデルとほぼ同じに行うことが出来る。プロペラや脚柱、タイヤなどは真空成形するのが難しいため、ホワイトメタルやレジンキャスト、簡易インジェクションなどのパーツがセットされている場合もある。また、既存キットのディテールアップ用に、透明な板を真空成形した風防パーツも販売されている。日本でも1980年代初めには宇宙船などのキットが作られており、レジンキャストが一般化する前には、絶版プラモデルをバキュームフォームで複製した例もある。ラジコンカー用のポリカーボネート製クリアボディもバキュームフォームで作られている。
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